漬物シンポジウム

 はんなり京都のお惣菜・後編 『大黒漬とあさごぼう』

母君にもう一つ頂戴してきた京土産は漬物だ。言わずと知れた京都の老舗メーカーのものであり、京都限定販売の季節モノとあれば更に有難味も強く感じるのである。 “大黒漬”とは大根を笹の葉状に斜め薄切りにして醤油ベースの漬汁に仕込み、生姜・唐辛子を隠し…

 パープルカリフラワのピクルス

冷蔵庫の野菜室に幽閉されていたパープルカリフラワは芽キャベツと共にクリームシチュウで日のメを見たワケであるが、ドカンと大きなモノだっただけに一度では食べきれる量ではなかったのだよ。 以前に主婦向け料理雑誌でチラ見したピクルスにはカリフラワを…

 松前漬

その名の通り蝦夷地は松前藩が君臨していた地域でムカシから作られていた漬物である。 北海道南西部の日本海側で古来はたくさん漁獲されたニシンの卵・カズノコは“ネコマタギ”と呼ばれるほどポピュラーな食べ物だったらしく、極寒の地に住む人々の工夫は冬の…

 ピリ辛相馬きゅうり漬

キュウリの品種を調べても“相馬きゅうり”というモノがあるワケではなく、単に産地の名前を冠しただけのコトであった。 しかしながら福島県の相馬は千島海流と黒潮日本海流がぶつかる好漁場が控えているばかりでなく、東北地方の中ではその温暖な気候を利用し…

 菜の花浅漬

温暖な南伊豆では既に咲き始めていたが、これから各地の便りを聞くことになる菜の花だ。 そんな菜の花を塩で浅漬けにしたものをテに入れた。ベツに珍しいものではないが、なんとなく春らしいというかこの時期ならではのモノなので年に一度は購入するワケであ…

 くいしんぼう

『くいしんぼう』とは面白いネーミングだ。飛騨高山の名産である赤かぶをメインに大根・しそ・生姜・唐辛子を醤油で漬けたモノで、化学調味料など一切加えていない漬物である。 決して鮮やかとは言えない色もナチュラルな感じがして嬉しい。思ったより塩分が…

 青じその塩漬

夏の間当家の菜園の片隅にボォボォと生えていた青じそは、秋の冷え込みにヤラれてもう既に今年の営みを終えている。 かなり大量に自生しているのでフツーならばスーパーか八百屋で買ってこなければならない青じそに困るコトはない。 ソレどころか使いきれな…

 『からし高菜』でオニギリだ〜

初めて食した時はこんな風に刻んだものではなかった。大きな一枚葉でゴハンを包んで…というスタイルだったがコドモ心にも美味しいと感じたものだ。 “高菜”とはそういうモノだとインプットされていたので、社会人になってから博多ラーメンのお店のテーブルに…

 桜島大根の粕漬

小さい頃に少年画報のような本で桜島大根の写真を見た。小学生くらいの男の子が自分の身丈ほどもある大きな桜島大根を抱えてはニッコリしている画はモノクロで撮影されたものに着色したようなフシギな画像だったが、そんなコトよりも「コレは大根じゃなくて…

 松前漬

久しぶりに松前漬を仕込んだ。細切りにしたコンブとスルメにカズノコを加えた醤油漬である。彩りに入れるのはニンジンくらいか、あまりホカの野菜類を入れると云うハナシは聞かないので概ねコレで間違ってはいないと思う。 その名の通りニシンの一大漁獲地で…

 胡瓜と茄子の塩もみ

なんかよくワカラナイのだが胡瓜と茄子が過剰在庫になっていた。もしかしたら宅配で注文してあった“不揃いキュウリ特価品”や“獲れたて茄子シャキット便”のコトなどすっかり忘れてスーパーで買い込んで来てしまったのかも知れない。いや「カモシレナイ」など…

 細切り野菜の浅漬

冷蔵庫にチマチマと残っていた野菜類の一掃処分にはモッテコイなのであった。鍋モノで使い切れなかった水菜や、ヤサイ炒めの切れっ端ニンジン、焼き魚をしたトキの大根おろしの片割れ…ナニかメインにしようと思っても全部中途ハンパな量ばかりでどーにもなら…

 越後の里山便り『野沢菜なめこ昆布』

シャキシャキと心地よい歯触りの野沢菜にヌルヌルなめこと昆布を加えるアイデアはもうお馴染みだろう。ズルズルしているので熱々のゴハンに乗せて食すと食べやすく、食欲の落ちがちな季節にもナイスな朝食シーンを提供してくれる。 試しに冷奴に乗せてみたが…

 大坂鶴橋 黄さんの手造りキムチ

黄(ファン)さんがどのようなお方かは知らないが、あまりヨケーなコトをしていないこのキムチを食していると「きっとスパッと気持ちのいいヒトなんだろうなぁ」とカッテに想像してしまう。 こんなにシンプルなのにこんなに美味しいのは、新鮮な白菜をキチン…

 花ニラのダシ醤油漬

ちたけ蕎麦ツアーのネタもコレでいよいよ最後だ。 花ニラの半量は麻婆豆腐に刻み入れて楽しんだが、もう半分は道の駅たじまに置いてあったように薄めのダシ醤油に浸した漬物にしてみた。 そのまま漬込んでも悪くはないだろうがアクやニオイがキツそーだった…

 日光ろばたづけ

日光に行ったのは15年ぶりくらいだろうか。先日のちたけ蕎麦ツアーの往路で“日光のたまり漬”の看板を多く目にし、懐かしさも手伝っていくつかを購入して帰った。 東北自動車道が首都高速とまだつながっていなかった時代からおシゴトで時折行くコトがあり、知…

 野沢菜むかし漬で『しらすゴハン』

色も鮮やかなフツーの野沢菜漬とは違い醤油ベースで漬け込んだ“むかし漬”は渋い色合いで、逆にボクは食欲をソソられる。 塩漬けが発酵して古漬けとなったものが本来の姿で旨みや歯触りは次元の違うハナシだが、ちょうど新漬と古漬のイイトコドリのようなこの…

 新潟『十全なす』の浅漬

神戸の友人Gが送ってくれた泉州水なすとはまた違った品種のようだ。調べてみてもこの十全なすはその正体が明らかにならないのである。 ルーツは京都の賀茂茄子という記述もあったがどうにも不確かなのでソノ辺りはもう少し詳細な情報を得てから文章にしたい…

 むうちん漬

長野県南佐久郡北相木村…長野・群馬・山梨の三県の県境に位置するこの村の名前は“むうちん漬”を食してみるまでは知らなかった。人口1000人ほどの小さな村は1565年(永禄8年)に信濃国佐久郡相木村が南北に分立したことに始まり、昨今の町村合併の流れもナニ…

 ねぎからし

山形の“だし”のナカマかな ネギと唐辛子しか入ってない… そんなに激辛ってワケでもないから ゴハンに乗せても 冷奴のトッピングにも なんでもオッケーだよ そう 昨日キュウリに乗せてみたの すごく美味しかったよ あ〜夏っ! ってカンジ ◆三和漬物食品株式会…

 白瓜のてっぽう漬

霞ヶ浦でウナギを食したお店で付け合わせに出された漬物である。隣の卓席に座る先客がボリボリというかパリパリと音を立てて食しているのを聞き「ウ〜ム、いったい何を食べてるんだろ…」とフシギに思ってはいたのだが、運ばれてきた鰻重の副菜類を見て納得し…

 泉州『水なす』の漬物

神戸の友人Gから“水なす”の漬物セットが送られてきた。一昨年神戸に行ったトキに初めて見聞きしたそのナスは皮も柔らかく瑞々しい身肉が特徴で、大阪の泉州が特産というコトから“泉州水なす”とも呼ばれている。 ナスはインドが原産の植物で栄養価テキな見地…

 割干大根ハリハリ漬

割干大根の漬物と云えば“博多ごぶごぶ”が有名でボクもソレしか食したコトはなかったが、CO-OPの宅配カタログに載っていたものは新潟の製品で「値段も安いしタマには違うモノを食べようではないか」とお試し購入してみたのだ。 九州方面の製品との大きな違い…

 明太山ごぼう

ドコにでも売っているような漬物だけどね コレはごぼうの香りも良くて美味しいなぁ 明太子入りだからさ やっぱりちょっと辛いけど う〜ん なんかヤミツキみたいなカンジで止まらないの 青いヤサイも入ってるでしょ 最初は青唐辛子かと思ってさ ビビリながら…

 甘酢らっきょう 2009年版

つい先日漬け込んだかのようなカン違いをしていたが、日記を追ってみると先月の15日にその作業をしていた。 ウ〜ム、月日の経つのは早いものだ… ◆◇◆◇◆ 去年の甘酢ラッキョがとても上手く出来たのでソレに気を良くして今年もやってみたワケで「同じ産地で同じ…

 野沢菜漬でおむすび

野沢菜の漬物はドコでも売っていて、ほとんどはソコソコに美味しいのだが本当に満足できるモノは少ない。信州方面にアソビに行って食事で出された野沢菜が美味かったから…と購入してきたものがイマイチでガッカリ、と云うのもよく聞くハナシである。 先日ス…

 加賀太きゅうりの浅漬

去年の夏だったかビールのCMで一躍有名になった“加賀太きゅうり”はナカナカその姿を拝むコトができず、市内のスーパーで発見したのはかなりアトになってからのハナシだった。 もうその時は「冷やして丸カジリしよーぜ♪」などという季節はとうに通り越して…

 三撰きのこ

“隣保班”というコトバはすでに死語になりつつあるが、このイナカである富士宮ではなかなかにシブトく生き残っている。そのレクリエーションなるものが年に一度催され、母君はセッセと参加してくるワケだ。 ボクも何度かお付き合いをさせて頂いたコトもあるも…

 長野県飯田『野沢菜と長いものしょうゆ漬』

清里にある漬物屋さんの野沢菜がお気に入りであまりホカではソレを購入することは少ないが、透明なパックから覗く山芋の白さに惹きつけられて食べてみる気になった。 山芋のシャリシャリした食感とネットリとネバる旨みが野沢菜の酸味に絡み合って大変美味し…

 べったら漬

黄金色に染まったタクアンは不動の地位で漬物界の王者として君臨しているが、この“べったら漬”も侮れない。甘くパリパリとした中から漂う大根の風味は時々ムショーに食べたくなる魅力を放っている。 タクアンに比べて当りハズレが少ないのも良い点で、スーパ…