ポーク・スペアリブのプレート  

 いつもは二日間ほど漬け込んでから焼くのだが、頃合いの滲み込み予定日は旅先に…という不都合な日程しか組めない。
仕方が無いので食べてしまおうではないか、とモミモミねっとりウッフ〜ン作戦の開始なのだ。

 合わせ調味料と肉をビニール袋に入れモミモミを開始する。ちょっと水っぽかったかな〜などと最初は心配になるのだがそのうちに肉が水分を吸って全体がねっとりと変化し始める。
しめしめ、こうなればコッチのもんだぜ。30分も冷たい態度で突き放してやれば向こうから
「ウッフ〜ン♪」
と擦り寄ってくる。
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 スペアリブのヤル気は満々になったので、お楽しみのお膳立てをしよう。
先日の料理で気をよくしたボクは再び生パスタの購入を検討していたが「なーんて間がいーんでしょー」とばかりに母君が買ってきてくれた。今回はソース付きの製品でしかも「4種のチーズ/カルボナーラ」なる代官山ナントカのカントカというヒジョーに有難いセットだ。
パスタの茹で時間は3分弱、説明書き通りにコトを進めるがなかなかデキのよい麺とソースに得をした気分になる。
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 寒い時期のほうれん草は葉も厚みを増し、ソレに伴って甘みも膨らんでいる。茹でたりせずにいきなり油地獄に陥れて天晴れな往生を遂げさせてやるのが人情というものだ。
フライパンにはガーリックオイルとバターがふつふつと待ち構え、哀れほうれん草はジョワ〜という悲鳴と共に別の世界に旅立った。
塩と胡椒で弔ってやるのが礼節を知る者の流儀だが、あくまでもスペアリブの引き立て役なので控え目にしておきたい。
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 骨付きの豚バラ肉は焼き上がりまで概ね20分ほどを要する。オーヴンに入れる前に余熱しておく必要があるのでお忘れなきよう…
その間にパスタを茹でる湯を沸かしたり、ほうれん草のソテーの準備をしたりとけっこう忙しいのだ。肉は焼きたてを食べたいしパスタはノビないうちにというコトになれば、自ずと優先順位は決まってくる。
 幸いなコトにガロニは短時間で済むものばかりなので、肉をオーヴンに入れてから調理開始をして充分に間に合う。
調理機器の数にヨユーのある方は並行作業で切り抜けられるが、ガスコンロが一つしかない場合は最初にほうれん草から始め、次にパスタに取り掛かるのが最終的な料理の味に良い結果をもたらすだろう。