(17) カメラのショルダーストラップ

10月のカンティフェアの際に立ち寄ったメリーマックさんでカメラのストラップをオーダーしてきてあった。
先週ようやく「出来上がりました」というメールをいただき、ホントはスグにでもお伺いして早速装着してみたかったのだが、そうそう軽ハズミに行動するのもオトナ気ないなあなどとカッコつけてヨユーあるフリで出かけた清里である。
メリーマックさんに到着するとお店のディスプレイはクリスマスヴァージョンになっていて「あぁ間もなくなんだなぁ」と殺伐とした日常から離れられたヨロコビが湧きあがってくるのである。

外気温は4℃、サスガにゲストルームのストーヴには薪の火が入っていた。いつもながらこの森の薫りにはノックアウトされてしまう。パチパチという音、優しく輻射してくる暖かな空気…今のところココに来なければ味わうことのできない感覚だ。
う〜んボクもいつかは…とは思ってみても実際はそうした生活ならではの苦労を受容する覚悟が必要だろうし踏み切るにはかなりの勇気が試される。あぁソレにしてもいいなあ、薪ストーヴってさ。
そんなボクに石原氏が「ちょっといーものを♪」とナニやら鋳物の道具を持ちだして調理をしてくれた。ホットサンドである。ハムとソーセージやチーズなどのシンプルなものだったがコレはとびきり美味かった。
「特に高価な食材を使っているワケではないけれど、チーズにはちょっとした配合の工夫をしてある」と石原氏は教えてくれた。サスガに毎日のようにコレを楽しんでいるというだけあってトーシローには思いも及ばないヒミツがあるのだな。

変わらない定番作品、そしていくつかの新作と夫人のグラスアートがお店の中に…




よいものを作っていただいた。メインのカメラ用のストラップであるが、一発で気に入った。
ホントはストラップは撮影のときにウザくて付けておきたくはないのだが、ソトでの取材や撮影シゴトの多いボクにはやはりどうしても必要なのがストラップなのである。
いままではメーカーロゴの入った化学繊維タイプのストラップだった。まあとりあへず不便はないものの、やはり面白くもなんともない…と云うコトでメリーマックさんにお願いしてちょっとステキにしてみた次第である。
けっこう重量のある物を吊り下げるので丈夫さは先ず第一に重要な部分だが、せっかくオーダーするんだからオシャレにキメたいじゃん♪とスタイルとカラーだけ指定してアトはお任せにしておいた。
長さ調節機構を付けるとゴツくなってしまうので、固定長・取り外し不可リベット止めの超シンプルなスタイルはボク以外のヒトにはフィットしないのだろうなあ…というのもキブンがいいではないか。

全体テキな印象はシンプルであるものの、実際は非常にテの込んだ工夫と細工がなされていて革は数種類のものが組み合わされ夫々の特徴を活かした作りになっている。
スナップ部分につながる基部には丈夫でノビの少ないもの、肩に当たるウラ側にはスベリ止め効果とソフトな触感を兼ね備えたヌバック系皮革、表部分は耐候性とファッション性を併せ持つシボ革を用い全体をまとめ、見た目だけでなく機能的にも申し分のない作品に仕上がっている。
ええボクに似合ってるでしょ?あ、ちょっと違う…そうですか、すみません。

ジツはこのシボ革はあのHERMESに採用されているものと同等品なのだという。う〜んカメラはソレナリだからいいものの、コレを持ち歩くヒトっていったい誰なのよ…って言ったらエロおやぢしかいないのであって、写真のウデにちっとも見合ってないじゃん!なのである。恥ずかしくはないのか、キミ!なのだな。
そりゃリッパなショルダーストラップを付ければ写真が上手くなるんだったら誰でもそーするんだよ…なのであり、世間一般ではこのテのハナシのことを“ブタに小判”とか“馬子にも衣装”などと揶揄されるのがオチであって、まあせいぜいヒトサマに納得して頂けるように努力しようではないか…と自らを鼓舞するしかないのだ。

今年は雪が一度降ったきりだという。しかしお店の入口にある石に溜まった雨水は凍っていて融ける気配はなく、寒いことに違いはない。
清里は秋の観光シーズンも終わり残されているのは花もなく枯れ色の野山とクリスマスのイベントだけになってしまった。初めてココを訪れた方なら寂しいと思うかも知れないが、ぼくはそんな静かな清里が好きだ。
これからそっと進行してゆく銀世界に胸をわくわくさせながら冷気に包まれるこの季節、張りつめた冬が近づく空が美しい。




革工房Merrimack(メリーマック)
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