でらうみゃ~でかなわんわ(28)

いちどは喰いたい”名古屋めし”

其の五 美濃街道に生きる尾張の味「あつたや」


先ずはこのお店の外観をご覧いただきたい。どうです、モロに昭和でしょう?そして淡い郷愁とでも言いますか、昭和に生まれ人生の半分ほどをその年号で過ごしてきた者にとっては、ニッポンの経済発展と豊かな生活に寄り添って生きてきた飲食店の歴史を感じるものなのであります。

MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

こちらのお店はネット情報などで下調べして行ったわけではないのです。先日ワッフルのモーニングを食したあとに偉大な歴史を誇る建中寺に行った駄文日記をエントリーしましたが、その道すがらに発見したお店なのね
うっわ~、スゴいっ!昼めしはココでキマリだぜいっ!とボクはクルマの中で激しくコーフンした。どんなお店なのかは知る由もないけれど、取り急ぎカーナビゲーションのポイント指定を行い、いつでもココに戻ってこられるようにメモリーをしたのよ。

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ゴヤの中心部はマラソン大会のための交通規制だらけで、フツーなら建中寺からこちらへの所要時間は長く見て25分と踏んでいたのだけれど、なんと一時間以上かかってしまったのよ、オーマイガァですな。ショボ降る雨の中、狭い駐車スペースにキャプチャー君をネジ込み、入り口の引き戸を開けるとそこにもまた昭和ワールドが拡がっていたのです。

店舗外壁や入口にはコレデモカって感じで”おすすめメニュー”みたいなものや案内が掲示されていたけれど、なにせこの雨ですからねぇそそくさと入店してしまうわけなのですな。
さて注文はナニしましょうか…入口脇に在るガラスのショウケース内には名古屋めしの横綱「みそカツ」とか「ひつまぶし」「串かつ」の他に「みそ田楽」や生ビール…ってこれはカンケーないか…などがあったけど、ディープな名古屋めしってもっとあるはずだよなあってことで店内の案内をつぶさに観察したのね。
おっと!なになに…日曜限定のサービス定食?「勝浦産のおいしい生まぐろ刺身」に「国産手作り手羽先」ってなんだかヨサゲじゃん。お値段もポッキリ千円って鯔背だねえ、ん~じゃあソイツでお願いします!ってことで出来上がりを待つ間店内をキョロキョロと見回すエロおやぢなのよ。
確かに店内はごちゃごちゃしてはいる。以前に行った桶狭間のトンカツ屋はこれほどニギヤカではないにも関わらずなんだか不潔な感じがしてイマイチだった記憶が蘇ってくるけれど、不思議なことにこちらはそうした感覚を受けないのよ…う~ん、こんなお店ってスキです。大学時代から社会に出たてのころまで入り浸りになっていた喫茶スナックみたいなお店もこんな感じだったかなあ…みたいにミョ~な過去がフラッシュバックして驚いたのね。あのころは客のおねーちゃんをお持ち帰りとかなんだかいろいろよかった…ってカンケーありませんな、元へ。

そんな不潔な過去を引きずっているエロおやぢもピュアな人生に戻る瞬間(あくまでも瞬間だけですが)があるのであって、それは店内に掲げられていて一枚のフォトを見つけたときだったのよ。
古い写真らしくブルーブラックに変色(世間でよくあるセピア色ではありません)してはいるけれど、トーンもしっかり残っていてキチンと処理された紙焼きであることが判るのね。
店主殿のキャプションは「昭和40年前半の当店前の美濃街道です 昭和のかおり漂う貴重な一枚 保管されていた新川防災センターより50年振りに当店にお譲りいただきました H23.3.2 )とある。う~むスゴいですねえ、思わず見入ってしまいました。ちょうどボクが北海道で小学校に入学したころの記録映像ですよ、たまらなくいい感じですね!「あつたや」さんの看板の横に愛知県の食品企業「オリエンタル食品」さんの看板がど~んとあるところも現代にない風景で、本当に貴重なものを拝見させていただきました。
そうこうしているうちに注文の品が運ばれてきました。おっとっと~、めっちゃ美味そうじゃありませんか!もう喰わなくたってこいつがイケてること判りますってば。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

千葉勝浦水揚げの生マグロはもちろん美味しかったけれど、やはり”名古屋めし”のニューカマー『鶏の手羽先』にカンドーするエロおやぢなのであります。美味い、いや~美味い。どーします?単品でもう少し注文しますか?
ちょっと待って下さい、マグロだってかなりな量があるし、小鉢の『インゲンとさつま揚げの煮浸し』も美味しくてけっこーなボリュームだしね、赤だしも具だくさんでダシめちゃ利いてるし…とコレくらいにしておいたほうがいんじゃないの?てなカンジでしたね。
日曜限定のサービス定食…本当に満足しました。こうしたランチのサービスメニューでお客さんを満足させられるお店は、きっと何を食しても美味しいに違いありません。あぁ~ん、もうちょっと近くに在ればなぁ通い詰めてメニューのオール制覇なんて考えちゃうんですけど。
一見さんみたいなおっさんはスグに見破られましたけど、ご主人も女将さんもすんごく優しく接してくれました。あぁ、こーゆーお店でデロデロになるまで飲み食いしてみたい。清須の「須ケ口駅」近くに引っ越しします?



美濃街道
本来は越前と美濃を結ぶ街道のことであって、江戸時代に東海道宮宿(現・名古屋市熱田区)と中山道垂井宿(現・岐阜県垂井町)とを結んだ脇往還(=脇街道)は美濃路と呼ばれていた。しかし近年はこの二つが混用されドチラを使用してもいいみたいなフンイキなのね。
因みに美濃路の宿場は宮宿(愛知県名古屋市熱田区)- 名古屋宿(愛知県名古屋市中区)- 清須宿(愛知県清須市)- 稲葉宿(愛知県稲沢市)- 萩原宿(愛知県一宮市)- 起宿(愛知県一宮市)- 墨俣宿(岐阜県大垣市)- 大垣宿(岐阜県大垣市)- 垂井宿(岐阜県垂井町)となっています。





呑処 喰処 あつたや
愛知県清須市須ケ口2335
TEL=052-400-6368
ACT=11:00-13:30 / 16:30-21:00 月曜定休





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