竹の子ご飯と手打うどん

門前町の商店街で旬の味に出会う

手打うどん「ゆたかや」

笠寺観音に参拝し境内をしばらくプラプラしていたらハラがへってきた。モーニングを2回も食しているのにね、やっぱり動き回れば空腹になるもんだよなあ。
昼めしをドコで食すか決めて出かける日もあれば、行った先でテキトーに見つけて済ませるときもある。この日は後者の方で「下町の観音さまの近くにはきっとムカシからやってる食堂とかがあるに違いない」なんて根拠のない想像をして、これまたプラプラとその山門から名鉄の駅がある方向に歩いてゆくのね。そしてあれこれと探したり迷ったりするテマもなくラブストーリーは突然にやってきたのだ。

見てくれよ、この外観!ステキすぎて気絶するほど悩ましいじゃないか。小田和正氏は「ただ素直に好きと言えなくて」と語っているし、Charは「ああまた騙されると思いながら」と歌ってはいるけれど、ボクは堂々と「大好きだ!」と宣言するし「このテのお店にウソはない」と確信しているから大丈夫なのよね。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

店内はダークな照度だし特別な清潔感もないけれど、まあムカシの居酒屋並みの猥雑さがある。それもそのハズで、その構造と機器を見ればどう考えても過去は居酒屋として営業していたお店を居抜きで使用していることに他ならない。

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お店の壁側に沿って両側が客席、そして中央に一本ど~んとスペースがあってそこにはシンクや焼鳥の焼き台みたいなものやちょっとした加工台とディシャップスペースなどが見えるが、使用している形跡は全くない。本来はそこを従業員が行き来するのだろうけれど、注文の品は奥の厨房で作られ両脇の通路を使って運ばれてきたのね。

さて注文ですよ。ものすごい種類の献立でドレにするか迷ってしまうけれど、表の案内看板立に「本日のサービス品」として『竹の子ご飯セット』¥700というものがあって、そいつに強く心惹かれていたのだな。アレコレ迷うよりもファーストキス…じゃなくってファーストコンタクトで押してみるのが一番かも知れないと思ったのよ。

うひひ~竹の子ご飯が楽しみじゃないか。今期は長期出張で宿舎暮らし、ナゴヤめしとかモーニングの喰い漁りはやってるけど旬の味ってものには縁遠い生活が続いていたからなあ、こーゆーものにみょ~に敏感になっている気がするのよ、ボクは。
そして選べるうどんはメニューブックにのっている単品うどんならドレでもよろしいってことで、なんだかきまぐれに『しのだうどん』にしてしまった。エビ天とかねニクもあったんだけど、なんとな~くって感じです。

さてさてそのセットが運ばれてきました。トレイには竹の子ご飯とうどんの他に、ちゃんと煮物の小鉢とお漬物小皿も添えてありましたよ。
フォトでは食べかけのゴハンみたいな感じに盛りが乱れておりますけれど、手付かず状態でコレです。ってか、竹の子ご飯なのにタケノコがまったく見えない状態で盛りつけられていたのでちょとホジくり返して撮影しました。品のいい料亭や和食店などと違い、こーゆー庶民的なお店では見栄えのする盛りつけはそう重要な問題ではないようなのだな、ベツに印象を悪くしたわけじゃありません、こんなもんでしょってところです。

先ずはおツユがわりにうどんの出し汁をいってみます。あぁ~いい感じですねぇ、淡い色ですがしっかりカツヲだしが利いてますし甘辛加減も申し分ありません。ここはうどんをすすらずにゴハンといきますか。
おっと、けっこー濃い目の味付けですね!これはこれで美味しいものです。見た目とお味からゆくと炊き込んだものではなく、竹の子その他の具材をしっかり味付けして炊いたものを白ゴハンにササッと混ぜて作るタイプです。チカラ強い味になりますので繊細な食材には向いていませんが、がっつ~んと手っ取り早く満足感を得てハラいっぱいにするにはコチラがおすすめです。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

次にセットの『しのだうどん』にテをのばします。信太とか志乃田などとも表記するけれどドレが元祖というかホンモノなのか知らないのでスルーしておきます。ただヨソの土地でこの『しのだうどん』を提供しているお店は少ないはずで、もしかしたら”隠れナゴヤめし”かも…なんて思ってもいます。
色が淡いのは三河特産の白醤油を使っているからで、あっさりとした味わいの中にも愛知県産らしいコクが潜んでいます。美味いですねえ、スキスキこの味!
はんなり味付けした油揚げ、笹切りの根深葱、カマボコ…とってもシンプルなのにとっても奥深い、これは忘れられないものになりそうな予感がします。えへ、静岡に帰ったらコピって喰っちまおうかな。

聞き慣れない”しのだ”の由来についてですが、大阪府和泉市の「信太森葛葉稲荷(しのだもりくずのはいなり)神社」に伝わるキツネ伝説で、同じ系統の神社が愛知県あま市にある「葛葉稲荷神社」なのね。そこは偶然にも数か月前にボクも訪れた場所であって、まさかここでそれが結びつくとは夢にも思いませんでした。
つまり「信太森=しのだ」はキツネってことで、このうどんのナマエがそうなった…という説には飛躍や破綻もなく信憑性が高いものかと思えるのですな。
竹の子食いたさに注文したセットですが、思いもよらぬ文化のふくらみに驚いております。う~ん、ナゴヤっでスゴいところじゃん。

驚いたことはもうひとつあって、こちら「ゆたかや」さんは11:00からの営業ですが、朝の八時から開店時刻まで『モーニングうどん』なるものを提供されているようなのであります。サスガにコーヒーはついてませんが、たぶんおねーさまコダワリの緑茶(上のフォトの後ろにうっすらボケ写りしてますが、湯飲みに濃い緑茶が入っておりまして竹のスプーンが添えられています。多分お抹茶入りなのでしょうね、よくかき混ぜて飲めってことかなあ)はいただけると思います。

この駄文日記の「噂のにゃごやモーニング」のカテゴリに入れるかどうか迷いましたけれど、あくまで喫茶店とそのコーヒーをお題目にしたエントリーなので今回は外しました。
…ですが~、機会があれば件の『モーニングうどん』ね、おにぎり二個つきですし、卵焼きも付いてるみたいだし、¥290だし…と究極の外食朝めしってことで食してみたいとは思っているのですよ。う~ん、だけどちょっと遠いよねえ、ムリかなあ。

そんなことを考えながらボケ~ッと再び店内を見回していた。
そしてその照明のひとつが「手打 うどん」とかかれた行灯スタイルのものがあることに気が付いた。ほとんど天井に近い場所、周囲には飲食店の各種認定証や公共交通機関の時刻表など、ジツに生活と営業に密着した壁面だし、換気扇などがリアルに回転していたりして凡そ気が向かない場所であることが残念なのだけれど、その行灯風の照明(いや、実際は行灯だったのかも)がこのお店の大黒柱(テキな心の支え)なのではないか…なんて思えてもくるわけです。
肝心なことを書き忘れていました。ウリの「うどん」のことです。一般テキにナゴヤで流通している「うどん」や「きしめん」などと違いもちもちなどといった食感は存在しません。柔らかくそして喉ごしのよいソフトな「うどん」です。
以前に流通大手某Aで購入した『伊勢うどん』のときは「こんなマズいうどんは喰ったことねーずら!」と叫ぶくらいサイテーなものであったけれど、同じ”ふわつる系うどん”なのにこんなに美味しく感じたのはナゼなのだろうか。その真実を検証するためにもう一度チャンスが欲しいのですが。



手打うどん ゆたかや
https://ameblo.jp/teutiudonnyutakaya/
https://twitter.com/funayumino2
愛知県名古屋市南区笠寺町西之門60
TEL=053-811-2484
ACT=11:00-14:30 / 17:00-20:00 無休





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がんばってくれました


シゴト用にしていた腕時計
そろそろ昼めしかな~と思って見たら
ありゃまあ! ブッ壊れてるじゃありませんか
何かがぶつかったのかな グラスが割れて穴が開いていた昨日

購入したのが一昨年のちょうど今頃
二年間よくがんばってくれました めっちゃハードな使い方してますから
後ガマを早く買わないとね
取り急ぎプライベート用のアウトドアウォッチが代役となります