お墓参りのあとは『覚弥懐石』

徳川家康公のお抱え料理人「覚弥」が理想を追求した静岡の美味

日頃は不精・不信心・不摂生な三不主義テキ人生を送っているエロおやぢも、さすがにお盆ともなれば墓参りくらいは行くのだな。まあ正直に申し上げますと墓参りよりもそのアフターを楽しみにして…ってのはありますけれど、それはウラ側の話なのでありましてタテマエはあくまでもご先祖様の供養とその墓地のメンテナンスってことにしてあるのですね。

さて無事にそのセレモニーも終え、例によって静岡デパ地下でのお買い物や中心部での食事ってことになるのです。「関西うまいもの巡り」を開催している松坂屋さんもよかったのですが、やはりトータルバランスで一番フィットする静岡伊勢丹さんにお邪魔することにしました。そしてその近くの食事処なら…う~む、しばらく行っていない「なすびグループ」のあのお店がいいんでないかい?てなわけで、おババ年金生活者である母上のサイフをアテにしてはそこに向かうバカ息子なのです。

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以前は「坐坊」という店名でしたが、ぷち改装リニューアルして「馳走佰年 覚弥別墅(ちそうひゃくねん かくやべっしょ)」という新たな看板で営業されております。と言っても拘りの食材と緻密な感性そして確かな技術で創作和食を提供してくれていることに変わりはないようです。
また店内3Fの造りが”ビルの上階に中庭がある”というステキな空間(上の360°フォトがそれです)であることも相変わらずなのでありまして、こうした場所で食事が出来るってだけで満足感の半分は埋められてゆく気がします。
そして今回注文したのは”お昼の『覚弥懐石』”なるプリフィクスです。


先ずは小鉢に『鮪の角煮』、お造りはしずまえ鮮魚『鮪三種』が運ばれてきました。

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素晴らしいですねえ、どの鮪も旨味に満ちていてサイコーです。ワサビも生おろしワサビが添えられておりまして、単につ~んと辛いだけでなく爽やかな甘みを伴うところが王道に華を添えています。一方の角煮は敢えて控えめな調味が施され、鮪が本来持っているお味を損なわないようにコントロールされています。美味し。


次は真空低温調理された『熟成肉のロースト』です。

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ただのローストビーフとはステージが違いますね、旨味の層が幾重にも連なり、ゆっくりとしかし幅のある圧力を伴ってクチに拡がってゆきます。そしてやたらにトロトロ柔らかい仕上がりでもなく、適度な弾力が食す愉しみを何倍にも増幅させます。醤油ベースのオニオンソースが秀逸なのでありまして、複雑な旨味のニクにシンプルなソースを併せる勇気が素晴らしい。
添えられた夏野菜とオリジナル・バーニャカウダソースが泣かせてくれます。感無量。


いよいよメインの品です。焼き魚・煮物小鉢・天ぷら・握り寿司・お椀。

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魚は今が旬の太刀魚です。小骨が非常に硬い上に背側にはびっしり入っているので食すには少々難儀するのがフツーですが、ここでは太刀魚を三枚におろし小骨などを丁寧に取り除いたあとに再び二枚合わせにして焼きあげてありました。お味はもちろんですが、その親切丁寧な仕事ぶりに感心する次第です。
煮物にもフレッシュヤングコーンやオクラを添えてあることが旬を大切にしている証ですね、はんなり優しいダシのお味がカラダに染み入るひと品です。天ぷらは海老などはきっと敢えて外してあるのでしょう、ここでも夏野菜を中心に組み立てられておりました。揚げ加減などは申し分ありませんし、粗塩で食す野菜天ぷらの美味しさを存分に堪能できます。
そして圧巻は三種の鮪握り寿司。トンボマグロの最高級トロ部位、本鮪赤身の炙り、そしてまたまた本鮪赤身はストレート勝負!もう下衆な説明は不要でしょう、たった三カンでこんなに満足したのは生まれて初めてかも知れません。


ファイナルはデザートの盛り合わせとドリンクです。

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マンゴソースのブリュレ、黒蜜きなこのわらび餅…そして薫り高いアイスコーヒー。あぁなんてシアワセなんでしょ!
因みにこのプリフィクスではドリンクにビールやワインもチョイスできるようになっていました。買い物は食事のあとなので運転は数時間後になるとはいうものの、いちおー心配なのでやはりソフトドリンクにしました。今のご時勢、たとえわずかな確率であってもリスクは回避しておくべきでしょうからね。う~ん、なんか惜しかった気もしますけど…って、いつまでもグジグジしてないできっぱりと、そして凛とした生き方をしなさい!てなもんですな。

とても満足なランチでした。以前に何度もこちらのお店には足を運んでおりますが、一度も裏切られたことはありません。店員さんの教育も立派なもので、記念日や接待に安心して頼ってもいいお店かと思います。
サブタイトルにあるように「家康公のお抱え料理人へのオマージュ」がこちらのお店のコンセプトなのでしょうか、長い年月そうした意思をブレずに経営されている「なすびグループ」さんには本当に感謝の気持ちをお伝えしたいものです。
さて、やっぱりねぇ…次回は宿を用意しておいてヨルの部に出撃だよなあ。


馳走佰年 覚弥別墅(ちそうひゃくねん かくやべっしょ)
https://www.nasubi-ltd.co.jp/kakuya/
静岡県静岡市葵区七間町 1-15
TEL=054-255-3388
ACT=11:30-14:00 / 17:30-22:00 無休


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覚弥別墅のインテリア


3Fのエレベータを出て客席に向かう通路にこんなインテリアが
石洞で修業する僧のミニチュアみたいな作品
これが二段になって壁面に埋め込まれています
思わず立ち止まり見入ってしまいました

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