でらうみゃ～でかなわんわ（167）

■ いちどは喰いたい”名古屋めし”

其の拾五　ごっち食堂の『びっくり金シャチ天丼』

" 金シャチ〇〇 " という商品や場所はナゴヤにたくさんあります。食品ならビールからスイーツまでありますし、観光名所になりつつある横丁や商店街までもがその名を冠しているわけですね。
それはナゴヤの象徴とも言うべき名古屋城天守のルーフトップを飾る金の鯱（しゃちほこ）の存在なのでありまして、まあこれほど解りやすい記号はないわけです。冨や権力を表す目的もありますが、何と言っても尾張の文化と豊かさをストレートに詰め込んだ表現として芸術性も高いわけですから。

そういえばちょっと前にナゴヤでは「表現の不自由展」とやらのモンダイですったもんだしましたよね、そりゃモメるでしょ。芸術の名を借りたプロパガンダには許し難い表現も含まれているわけでして、多くの人々の心を傷つける内容だったわけですから。その中止や撤去を権力による弾圧とする向きもあるようですが、とんでもないカン違いなのでありまして、表現したり発表公示することは全く自由なのです、やりたかったらお好きにどうぞ！てのが自由と人権が保障された法治国家ニッポン、ただしテメーのカネでやって下さい、なのでありましてマトモな国民なら必ず不快に感ずる政治的主張に税金を使う国は世界中ドコを探してもないのであります…って激しく脱線しましたね、元へ。

f:id:artfoods:20191207053630j:plain — ごっち食堂

そんな " 金シャチ " をお店の看板メニューにしている食堂があると聞き、早速行ってみたエロおやぢであります。
食堂…ってことでもうちょっとフツーな出で立ちを想像していたのでありますが、まあなんとユニークなエクステリア＆インテリア！　とっても気さくでややマシンガントーク気味なママのお話では、以前は名古屋の中心部で居酒屋さんをやっていたのだけれど、この愛西市の夕焼けがイッパツで気に入って転居を決意、旧い民家を買い取ってご夫妻で手作り改装したのがこの「ごっち食堂」さんなのだそうです。すごいパワーですねえ。
メニューは定食を中心にいろいろあります。コスパのよさを強くアピールされておられましてドレも食してみたくなる " 名文 " がズラっと並んでいます。例えばこの天丼には「おっきななえびが２本、野菜、わかさぎもりもり～　びっくり750円」ですし「どひゃっとびっくり唐揚定食」「サクサクはみ出るチキンかつ定食」「隠れメニューだった愛情たっぷりで３日仕込の人気メニュー　まみちゃんのカレーライス」など、とにかく楽しさ重視の傾向なのであります。

f:id:artfoods:20191207053323j:image:w640 — びっくり金シャチ天丼

さてさて『びっくり金シャチ天丼』の登場です。いや～ホントにびっくりのボリュームです、天守閣の金シャチにみたてた大きなエビ反り海老天が向かい合わせで配置されているところが食す者のココロに響いてきます、素晴らしい！
天丼は具材の多さだけでなくお味も抜群でして、胡麻油の薫りが漂いサクサクとした天ぷらがたっぷりいただけるのはシアワセ以外のなにものでもありませんよねえ、でらうみゃ～でかなわんわ。ママはお味が足りなかったら掛けてと言って追いダレのボトルを置いていってくれましたが、それは全く使用することなく美味しくいただきました。
予約のお客さん専用の「茶わんむし」もサービスでいただき恐縮至極のエロおやぢでありますが、何をいただいても美味しくて他のメニューにも期待を抱かせるものですよ。セルフではあるけれど、食後に本格的な豆挽きコーヒーをいただけるのもナイスです。
こーゆーお店で一杯飲ったらさぞかし楽しいんだろうなあ…。