欧州の街角

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使いこまれた金具 幾世代にも渡って刻まれた傷 重厚な扉を開けて中に入れば祈りの場所だった 捧げられた蝋燭の炎が 異教徒であるはずのボクにも 悲しみや喜び そして祈りの気持ち そんな感情を一時に呼び起こしてくれるのは何故だろう 1997.06.05. @ザルツ…

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宿での食事はソコソコにして 夜の街並みも眺めてみたい気持ちでいっぱいだった 欧州二日目の夜、地図も持たずに外に飛び出したボクだが あまりの街燈の少なさに明るいウィンドウ伝いに歩くハメになった 1997.06.05. @ザルツブルグ CONTAX TVS Carl Zeiss Va…

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小高い丘の上にあった城には祈りのスペースもあった 誘い込まれるように入って行った夕方 薄明に浮かび上がる白壁と 扉の向こうにあるものへの興味が異国で流れる時間を忘れさせる 1997.06.05. @ザルツブルグ CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm

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街の中にあるテニスコートほどの公園 妙なボックスがその二辺に並んでいる 近づいてみるとガラス張りの立体広告だった 一つ一つ眺めてはアーティスティックなディスプレイに新鮮な刺激を受ける 帰国してから「それぞれを撮影しておけばよかった…」と悔やんだ…

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親戚知人の集まりでもしているのだろうか ちょうど宴が今始まらんとしているところだった 料理の美味しそうな香りが通りにまで漂っていて 奥からはアコーディオンやヴァイオリンの音色も聞こえてくる ボクも空腹になっていたコトに改めて気付いた 1997.06.07…

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夕食が始まる時刻は迫っていたが、不思議と焦りはなかった あと数百メートルも歩けばホテルに着くと云う道順が頭に入っていたからだ 通りの建物の入り口一つ一つで立ち止まり慈しむように眺めるボクは なんて間の抜けた旅人に見られていたのかと、思い出して…

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歩いては看板を見上げ また少し先に行っては同じコトをする… 通りに突き出た象徴を眺める度に旅人はそれを楽しみ 故国への土産話として心にゆっくりとたたんでゆく 1997.06.07. @ローテンブルク CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm う〜様 こん…

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ホテルでの夕食開始時刻をちょっと気にかけながら 急ぎ足で駆け登る城の階段 ザルツァッハの川面に反射する夕陽が赤くならずに 蒼く沈んでゆく不思議を旧市街に重ねる旅人 1997.06.05. @ザルツブルク CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm 元ルー…

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最初は落書きかと思った 良く見れば「子育てママ仕様」のコンパクトカー どこぞの国の黒フィルム目隠し軽四とはエライ違い この街ではユニークなクルマをよく見かけた ガチガチに思われがちなドイツ人も ちょっとはアソビ心があるんだな…って 1997.06.07. @…

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トラムが行き交う旧市街 まぶしい西陽に目を細めながらも必死に風景を追う旅人 今すぐここで飛び降りて街の空気を肌で感じたいと思った 時間はまだある… 1997.06.04. @ウィーン CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm う〜様 おはよーゴザイマスっ…

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いくつも路地を曲がり、あてもなくなく歩く初めての街 ホテルへの帰り道さえ間違わなければどうにかなるが 陽も傾き始め少しアセリ気味の旅人 そして突然現れた万華鏡のような門にしばし足を止められてしまった 1997.06.07. @カールスーエー CONTAX TVS Car…

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スーパーマーケットを探して街を彷徨っていると 奇妙な看板をよく目にした SAMURAIくらいならまだしもHARAKIRIやKAMIKAZE… シャッターが閉まっているので何のお店かも判らないし 1997.06.07. @カールスーエー CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm…

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レストランの入り口に据えられていた美しいモニュメント 金属文化の硬さを忘れる繊細さにカメラを向けた 食事を終えて出てきた老人が早口で何かを話しかけてきたのだが とっさに答えるコトもできずに、笑ってゴマ化したボクだった 1995.06.07. @ローテンブ…

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やや遅めの昼食を摂り街に出た 甘い香りが漂ってくるストリートに沿って歩いてゆくと 地方食豊かなパンの並ぶウィンドウ 食べてみたい…という気持ちを写真に置き換える旅人がいた 1995.06.07. @ローテンブルグ CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm

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市庁舎のシカケ時計を喜んで見ていたら 突然通りの向こうから賑やかな楽隊がやってきた 午後のストリート 何のパレードかも知らずに たった一枚だけシャッターを切った旅人 1995.06.07. @ローテンブルグ CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm 今朝…

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坂の多い街をくるりと一回り 早朝だがワインセラーの門はすでに開かれていた 「今夜は白ワイン…」 何故かそう決めた散歩道だった 1995.06.08. @リューデスハイム CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm ■ 血液型ゲノム 今朝パソコンを開けるとTom-Z…

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食事を待つ間に白ワインを注文した 運ばれてきたのはビアジョッキに注がれたソレ 地元の人々らしき他のテーブルを見ると、みんな一緒だった この地ではこうして飲むのがフツーなのね… CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak G400 1995.06.04. …

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石畳の坂道が教会を中心にした広場に続く どこの街に行っても似たような形式だが どれだけ訊ねても飽くことを知らないのは何故だろう CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak G400 1995.06.08. リューデスハイム

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柔らかな光と曲線 ホテルの部屋に向かう階段で立ち止まってしまった 思わず息をのむコーディネーションは 別々に仕立てたものではなく初めから計算されたインテリアなのだ CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak G400 1995.06.08. リューデス…

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柔軟性という言葉は当てはまらないだろう 門戸のカタチを変えてまでも街の礎を守る そんな頑なさが脈々と生き続ける町並みだった CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak G400 1995.06.08. リューデスハイム

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白ワインの町らしい門の装飾 西日が眩しい街並みの散歩は、静かに佇む歴史と文化に足が止まる 石と金属の“強さ”に深い流れを感じる CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak G400 1995.06.08. リューデスハイム

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教会を中心にした街づくり 坂道の途中に建てられた建物は石畳の路面と共に時を刻む そんな建築の裏側には素晴しい中庭などが隠れている場合もあって どこに行ってもちょっと覗きたくなる衝動に駆られた CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak …

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河岸に続く路地の石畳 小さな宿やカフェが次々と現れ 旅人の興味は尽きる事を知らない CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak G400 1995.06.08. リューデスハイム

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ちょうどおやつの時間、小腹がすいていたので「チーズとハムを挟んだパンを」と頼んだら、こんなスゴイのが出てきてしまってビックリ チーズ四連もオドロキだけどハムは巨大な一枚モノ アルトタイプのビールに良く合う美味しいサンドだったが この日の夕食、…

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さんざん迷った挙句やはり見送った 一度こうしたスタンドで買って食べてみたかったのに 朝からずっと何かを口にしていたその日はちょっと罪悪感もあったのか 昼下がりのの街角にソーセージの香りが漂う CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak …

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メトロへの入り口 アールヌーボーの装飾は必要であるかないか以前に 既に街の原風景として同化していた CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak G400 1997.07.08. PARIS ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 庭の楓は種子だけが紅く染まった いつも…

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偶然にも街はその日の夕方からお祭りだった ビールを飲んだりワインを楽しんだり なんのお祭りなのかも知らずに調子に乗っていた旅人に 地元の子供たちは平等に笑顔をプレゼントしてくれた CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak G400 1995.06…

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約束の酒屋さんに行く 様々なカタチのボトルが並べられていて飲まなくても楽しい やたらに高価なワインのコルクがいくつも試飲のために開けられ サイフの中身が気になって味わうどころではなかったような… CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kod…

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夕暮れ時、河のほとりで一休みのご夫妻 聞けばご主人の仕事は近くの葡萄畑での農家とか ボクと明日の約束をすると「サヨナラ」という日本のコトバ すこし嬉しい気持ちになった旅人だった CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak G400 1995.06.0…

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午前六時の裏通り 間もなく眠りから覚める街の静寂 背後から来た中学生くらいの女の子に時刻を訊ねられた朝だった CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm Kodak G400 1995.06.08. リューデスハイム