イカの唐揚

洋食っぽい食事が続いた上に家族が買ってきたパンに頂き物のパンが重なり、蟻地獄の様相を呈する食生活となってしまった。
急激に醤油味系のオカズが食べたくなったボクは冷蔵庫の探索を開始した昨日なのである。

切り身の魚を焼いても良かったが“真イカのツボ抜き”が出てきてしまっては行き着く先はお決まりなのである。
冬なら「イカ→大根→煮物→燗の日本酒」だろうが今はそーゆー季節ではない。イカ→生姜醤油→唐揚→ビールビール♪なのである。
天ぷらやフライはコロモに厚みがあるので皮を剥いてしまうが、唐揚の場合は揚げ油が殆ど直接皮に作用するので残しても構わない。
皮付きのモノからしか出てこないイカの強い香りもあり、油の味や香りが支配力を持つ唐揚の場合は逆に強力な対抗手段となる。
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本当は生のまま最終調理加工したほうが美味しいに決まってはいるのだが、途中の作業のしやすさと仕上がりの良さを考えるとチョット反則ワザではあるものの“湯通し”してから輪切りにするという工程をボクは選んでいる。
あくまでも“湯通し”であり“茹でるワケではない”のでマネされる方はご注意いただきたい。グラグラと沸騰している湯も禁物でふつふつユラユラと、そう温度で言うならば85〜90℃程度だろうか…ソコにイカの胴を投入し、ささっとゆすってやるとグニャグニャだった胴にハリが出る。すかさずボウルに準備しておいた氷水に突っ込んでヨケーな加熱を遮断してやるのね。
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表面は白くなって若干硬化してはいるが、切ってみれば中は完全な生だ。輪切りにしてもしっかりリング状態が保持されていてパン粉や他のコロモも付けやすい。
しかも最終調理加熱後に縮んでしまって
「あれ〜もっと大きく切れば良かった…」
というコトが防止できるのもメリットのひとつだろう。ミサンガかよ〜みたいなリング揚にはサヨーナラなのだ。
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生姜醤油で下味をつけたので夏らしいサッパリ味に仕上がっていて大変ケッコーな一品なのよ。今回はガーリックも胡椒もパスして、ニッポンの夏を満喫しているのである。