先日勝沼で購入した赤ワインを開けた。
「ラ・フォーレ」はボトルこそ土産モードだがナカミはフル・ボディーの本格派で、ちょっと個性的な味わいのワインだ。
冷蔵庫にはそれこそ「赤ワインでイッてください」と云わんばかりのおつまみがひしめきあっていて、ジツは「冷たいCAVAで月の出を待とう」というボクの作戦は出端からくじかれた。
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それでもこれだけのスタッフが揃った舞台にいきなり初演を迎えるラ・フォーレもキンチョーしたに違いない。
この日ひときわ光彩を放っていたのは「鴨のスモーク」と「オリーブの塩漬」だ。
鴨のスモークとは云っても自家製したワケではなく既製品のハムみたいなモノだが、コレがなかなか優秀な仕上がりで想定外にすすんでしまった。
鴨ならではの脂の旨みと赤身のコクとのバランスがよく、スモークも程よい加減で見事。近所の大手チェーン精肉店がOEMさせている商品だが、真空パック包装などされておらず店頭で切り売りしているからこそ、この味がキープできるのかも知れない。
そしていわゆる「スタッフド・オリーブ」というヤツになるのだが、コレはレモン・ピールが詰めてある珍しい製品。
よく行くワイン・ショップの陰謀にハマり、ついカゴに入れてしまった缶詰だが、4号缶にびっしり入っていて¥178は激安だったかも。
多分あんまり売れないだろうから次回また買ってこよう、とヒソカに決意しつつ口に放り込む。
オリーブ独特のまったりとした油分をレモンがピシリと引き締め、食事のマイル・ストーンのような役割を担っている。
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昨夜のプリマドンナ「ラ・フォーレ」
マスカット・ベリーAとカベルネ・ソーヴィニョンが主体のフルボディー赤。
色調はブラウンが混ざった渋い印象でエッジがオレンジに輝く。
タンニンは抑制気味でスパイシーさが前面に出るタイプ。グラスを回すと湿った下草の香りにクローブやアニスのパンチがすっと飛び出す。
余韻は短めだが柑橘系の酸味が柔らかくひろがり、静かに歩むような鼓動を感じる。
全てに個性的なワインで、どちらかといえばイタリア系の風合いか。
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