かぶら寿し  

 二人の方の手をわたってボクの所にたどり着いた加賀名物である。というのは最初に貰った方がイマイチ好みでない…というコトで次の方に。
そして二人目の方も食べてはみたものの「う〜んヤッパリ…」だったようで。



 食べ物の好みというものは年齢や育った環境や地域性、そして家族の食習慣などによって大きな違いを生ずる。
殊にサカナ系醗酵食品などはその最たるもので、クセのある風味をどう解釈するかという知覚嗜好がよりモンダイを複雑にしている。
などと難しいコトを書いてしまったが、カンタンにいえば
「好きキライが多いのね」
ということなのだ。
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 いやはや恐れ入った。一度は食してみたいと思っていたこの「かぶら寿し」がひょんなコトから手に入り、その恩恵に預るコトが出来たのは幸運以外の何物でもない。
秋田の「いずし」はハタハタだし、釧路の「さかな漬」は鮭やニシンなどを使って大根・人参といった根菜を米麹で乳酸醗酵させる食品だが、何れもさんざん食べた。
ところがこの石川県の名物は高級魚ブリを使い、しかもカブラに挟んで醗酵させるという、ちょっとステージの高い鮨である。
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 カブラの歯ごたえとセンイ質の滑らかさは一級品であるが、なによりブリの旨みと脂が米麹の乳酸醗酵によって醸し出される美味しさは、酢飯のソレとはまた違った「なれ寿司」の代表格だろう。
初めていただいた食品ではあるものの、なにか懐かしいような感覚もありボク好みの味で非常に旨い。
職業テキ立場から食品の好き嫌いをなるべく出さないような文化を創ってゆきたいと常々思ってはいるが、こんな都合のよろしいスキキライなら大いに歓迎だ。


◎かぶら寿し本舗『かばた
http://www.kabata.co.jp/
石川県金沢市野町5丁目12−18(本社工場)
TEL : 076-242-1915
IP電話:050-3531-1907
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E-Mail:kabata@kabata.co.jp
■営業時間:9:00〜17:00
■休日:日祝日、1月1日・2日