真鯛のソテー  

 京都嵐山の名料亭「吉兆」の若大将がイタリアンに挑戦…というテレビ番組を見たせいか、ボクもちょっとマネゴトをしたくなってしまった。
折りしも妹夫婦と姪が当家を訪れるコトになっていたので「ん〜、ちょうどいい実験台じゃん♪」などど大変シツレーな発想で取り掛かるコトとなったのだ。

 フルコースとまではいかないがソレらしきアイテムを順次出し、宴を盛り上げて行くのもホストの勤めかと、ケッコー必死の思いでアンティパストの一皿を仕上げる。
フルーツトマト、ゴルゴンゾーラ、カマンベール、自家製スモークチーズなどを盛り合わせ、サーモンのスライスでオニオンを包んだ一品を前菜とする。
この段階でブルゴーニュの白スパークリングが一本空いた。
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 香味野菜のスープ、カラスミのパスタと続き、ボジョレーのヴィラージュも空いてしまった。ワインの消費ペースが速いのはスキなヒトが4人もいるせいもあり覚悟はしていたもののなかなか痛快だ。

それよりも普段はこうしてワインを飲み比べなど出来ないので、とても嬉しい愉しみ方なのだ。
 牛ヒレ肉の和風マリネードは菜園の野菜サラダと共にペロリと消え去る。全体のバランスを考えて量を少なめにしたつもりだったが、いささかケチ過ぎたかもしれない。
あっという間に食べ尽くしてしまったので、写真を押さえるヨユーも無い。ここでボルドーの赤「ソシアンド・マレ2001」が空いてしまった。
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山芋のステーキ風は野菜のスープで作ったあんかけにして提供した。焦げた醤油の風味と洋野菜の香味がフシギなマッチングをみせてくれる。
 そしていよいよメインの真鯛のソテーだ。本当は皮付きのままソテーしてその旨みを楽しみたかったのだが、この時期は市場もお休みというコトで鯛は皮を引いた三枚おろしモノしか入手できない無念をなんとか晴らしてみせたい。
キノコを三種類ほどバターでソテーしたものを添えて、リーペリンベースのソースで頂く。
ソースにもう少し酸味があった方がよかったという意見もでたが、まずまずのデキだったと思う。
 調子に乗ってまた別のボルドーの赤「シャトー・デュ・シャロン2003」が開けられ、それぞれの感想が述べられるコロにはすっかりデキ揚がってしまい、笑顔と歓声が三が日のフィニッシュにふさわしいヨルとなっていた。