生ハムのサラダとポークソテー  

 某大手スーパーの独自ブランドの生ハムは、塩分は控えめだがなかなか良い味でお値段もリーズナブル。
いつものように手に取ろうとするとその隣には同社の新商品が置いてある。
北海道産の豚肉を塩蔵期間も長くし熟成させたという、ちょっとプレミアムな製品のようだ。

 イタリア・パルマ産の生ハムなどは元来の製造工程からして異なり、非常に手間と時間のかかる手法を厳守している。最終的な出荷までは最低でも12か月と、どう考えても量産できる食材ではない。
これに対し日本で一般的に「生ハム」の名称で販売されているものは“ラックスシンケン”と呼ばれるドイツ流の生ハムで、イタリア式との最大の違いは薫煙を施すトコロにある。
 要は塩と乾燥で熟成させて長期保存を可能にするか、薫醸によって殺菌効果をもたらし腐敗を防止しているかの違いだろう。わが国のハム製造の歴史から云ってもドイツ流が主体になっていったのもうなづけるし、塩分コントロールや発酵食品に対する感覚の違い、そしてなにより出荷まで数週間という短期製造が可能な食材として普及していったコトは納得いただけると思う。
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 この生ハムは多くの日本人が好む霜降りロースではなく、赤身主体のモモ肉を使用している。ロースのジューシーな旨味と柔らかさも捨てがたいが、この部位のような独特な噛み心地と滑らかな繊維の長さも「美味しいと思える感覚」の大切な構成要素となる。
また深い赤が映える色彩も料理の一部を飾る効果があり、いかにもといった食欲の増進を期待してしまう。
昨晩はコレに黒胡椒を挽いて振りかけ、オリーブオイルで食した。ハムの塩分が野菜の栄養摂取に都合よく加勢して、病みつきになるような旨さだ。
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 廉売の豚ロースが三枚ほど冷凍庫にあったので短冊にカットしてニンニクと塩・胡椒でソテーした。たまたまあったカレーソースをゴハンと合わせて盛りつけ、ちょっと変わったカレーライスだ。
煮込んだ肉の美味しさは格別だが、香ばしくソテーした肉もカレーに合わないはずがないではないか。


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ハム一般の定義はプリマハムのHPにわかりやすく掲載されています
 http://www.primaham.co.jp/meatclub/world_meat/ham.htm 

パルマの生ハム製造工程はサッカーの中田英寿氏がご自身のブログで詳細に解説されています
 http://nakata.net/jp/column/italywalk/italywalk027.htm


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昨日夕方の富士山
間もなく地平線に沈もうとする陽が山肌を染め
赤富士と呼ばれる風景を造り出している


TAMRON A16 / Nikon D300
2008.01.24. 17:04 @Mannohara-Fujinomiya