カマスの塩焼


かなりのハイスピードランナーで肉食…南洋の漁民にはちょっと怖い存在のバラクーダも親戚だ。
ごらんの通り小鯵をくわえた状態で売られていたカマス君、たまたま捕食行為中に捕獲され絶命してしまった哀れなヤツなのか、それとも漁網の中でもだえ苦しみながらも
「どーせ死ぬなら最後にハラいっぱい喰ってやろーじゃねーか!」
といった往生際の悪いヤツだったのかは、お亡くなりになった今では知る術もない。



ボクはカマスの塩焼きがダイスキだ。学生のコロ、世論調査のアルバイトで宿泊した西伊豆の民宿で夕食に供されたカマス、漁師が営む宿だったので新鮮この上ない。
あまりに美味しくてホメると翌日の夕食にはさらに大きなカマスの塩焼きが出てきて大喜びしたものだ。酒でも飲みながら誰かと一緒に食べたならもっと美味しく感じたのだろうが、なにせいちおーバイト中ではあるし食べ物の味など半分ワカッテない若造の時分の話だ。
カマスを食べる度に、一人でポツリと宿の夕食を済ませたあのトキを想い出す。