ブカティーニのジェノヴェーゼ  


ブカティーニとは中空のロングパスタ、いわばマカロニを超細長くしたものである。
シチリア料理によく使われ、しっかりした歯ごたえとロング・ショート双方のいいトコ取りが永く愛されるヒミツだろう。
名前の由来はイタリア語で穴を意味するブーコ(buco)からで、トマトソースのアマトリチャーナなどのソースによく合うとされている。
前回パスタを作ったトキはセダニーニをトマトソース仕立てにしたので、昨晩はバジルのペーストを使ってジェノヴェーゼにしてみたのよ。



あらかじめ調合してやや温めておいたジェノヴェーゼ・ソースに茹で上げたパスタを加えて和えてやるだけなので、提供する直前の作業に難しい点はない。
ソースもバジルのペーストにガーリック、クルミ、松の実、唐辛子、塩といった調味香辛料、そして質のよいオリーブオイルで濃度調節をする…といった具合で経験やカンを必要としないのがいいのね。
ただキモは若干のパルミジャーノのパウダーを隠し味程度に加え、コクと旨みをプラスしておくコトだろうか。バジルやガーリックのトンガった刺激もやわらぎ、ジツにマイルドに包み込んでくれるのである。
ボクは皿に盛り付けたあと、更にパルミジャーノ・レッジャーノの薄切りをトッピングして楽しむことにしている。
冷蔵庫に白ワインを冷してあったのに、ついうっかりボックス赤ワインをデキャンタに入れてしまったコト(しかもけっこうたっぷり)が昨晩の唯一の失敗だったかな。




久しぶりに明るい陽光
樹葉の影を石に落とし
日陰のつわぶきでさえ
光沢を身に纏う


ふと立ち止まり想うのは…