富士鶏の焼鳥丼  

梅干し用の紫蘇を買いに農民市場へ出かけたついでに鶏肉の串刺しを買ってきた。
しばらく食べていない焼鳥丼もいーではないか、と例の燻味塩で焼き始めると素晴らしい香りが立ち昇る。

 朝霧高原で育てられている“富士鶏”は有名ブランド鶏肉と真っ向勝負の旨さがあり、その割に庶民派プライスな良品だ。
何度か購入して味わったがいつもそのレベルの高さに感心し、コレならドコに持って行っても恥ずかしくないと満足する。冷凍工程を経ていない国産鶏肉はおしなべて加熱後の縮みが少なく、思ったより小さくなってしまった肉塊に「こんなハズでは…」といった落胆を投げつけられる心配は少ない。
 先日の甲州地鶏もそうだったが、しっかりとした歯ごたえの肉質と皮と脂の旨みが強く、なるべくヨケーな味付けをせずに食べてみたくなる。そうはいっても醤油ダレの焦げた風味も捨て難く、特に丼モノの場合はゴハンにシミるタレも重要なファクターなので、ちょっとひと工夫が必要になるのだ。
ジブンで調製する場合はフツーの割り下を半分程度の砂糖の量に抑え、トロミなどはつけないくらいで宜しい。また市販のタレを使うなら醤油や酒でのばして「ちょっと薄すぎたかな」と思える濃度でちょうどよい。
地鶏の良さを殺さずに焼き上げる鶏肉に、誰しもが歓喜の表情に変わるだろう。
なぜか刻み海苔がヒジョーによく合うこの丼、お弁当にもイケるマルチなヤツなのだ




サッポロ『エーデルピルス』を初めて飲んだのは昭和の年号のコロ。
芯の強い苦みがボクをトリコにし、ケース買いして毎日飲っていたのはまだバブル時代の話だ。
以来見つけると必ず購入しては楽しむコトにしているが、近年はゼイタクな感じがしてココゾという場面でしか開ける気がしなくなってしまったのは少し寂しいのねー
缶に“おいしいビールの注ぎ方”を図解してあるのが愉快だが、少しでもこの素晴らしさを逃さずに味わってもらいたいという職人の願いの顕れだろう。
苦みだけについ目が向きがちだが、このビールの良さは香りに由来する部分が大きいと思う。
品の良いアロマがクリーミィな泡に拡散し、一口ごとに鼻腔を覚醒する。