茹でシラス  

 朝ゴハンにはナイスなオカズではあるが、大根おろしと共にばっくり頬張るのも酒の肴に上等だ。産地というコトもあってか静岡県内のスーパーにこの茹でシラスを置いていない店はないようで、コイツが好物なボクとしてはヨソの土地ではストレスが溜まってしまうだろう。

 生シラスはもちろんスキだが、この茹でたヤツ(釜揚げと呼ぶヒトが多い)のふんわり甘い潮の味もたまらなくスキだし、スーパーの棚から選ぶトキはなるべく混入物の多いパックを探すコトにしている。
高級品ほど混入物は少ないらしいが、その時の漁や潮模様によってはヒジョーに多くの生物が混じっている場合があり、ウレシくなってしまうのよー
 真っ白な茹でシラスは見た目に美しいが、わざわざB級品を選ぶのは美味しいからなのであり、また点々とちりばめられた小さな生物は見ていてもも楽しいではないか。
ところが海洋生物学者や研究者にとってはシラス干しは学術研究の恰好のマテリアルらしい。苦労して採取に行かなくてもスーパーでカンタンに入手でき、しかも季節や漁獲場所の特定もしやすいので都合がよいらしい。
昨日食べたモノにもそうした小動物が多く混入していて、ちょっとハシで探っては眺めて喰うという楽しい食事になったのだ。アジやサバのコドモがキラキラと混じる日もあるが、今回は「甲殻類と軟体動物の玉手箱ぢゃ〜っ!」とヒコマロなら表現しそーなシラスちゃんなのね。
 甲殻類のゾエア幼生やメガロパ幼生、フィロゾーマ幼生といった面白いカタチだけでなく、滅多にはないがウナギのレプトケファルス幼生の高級珍味も体験できる絶好のチャンスなのである。たまには摂食行為を一時中断してこうしたモノに目を向けるのも楽しいものだ。
因みに写真中央の甲殻類ゾエア幼生のコトを、漁業関係者は「プロペラ」とか「ヘリコプター」と呼んでいるらしい。