不謹慎なボロネーゼ

食品庫の棚のスミにコロリとあった缶詰はミートソースだった。
賞味期限にヨユーはあるが、かなり前に購入してすっかり忘れ去られていた哀れなヤツなのだ。

 インスタントやレトルトものも決してキライではないボクだが、サスガにカンヅメ・ミートソースをストレートで…と云うのはちょっと抵抗がある。
なんとなくイカニモな缶詰味でバレバレなのが許せない感じで「コレは一発改造で乗り切ろうではないか!」と決意し早速スーパーに挽肉を買いに走る。
 もう肌寒い秋なのにナマ足ミュールつっかけミニスカのオネーチャンや巨乳人妻を横目に“特売牛豚合挽き”200gのパックとイタリアンパセリをカゴに入れレジに急ぐ。夕方は五時も過ぎるとシゴト帰りの主婦がイッキに店内になだれ込んできて、エロオヤジはタイヘンなコトになってしまうからだ。
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 フライパンにガーリックのコンカッセとオリーブオイルを入れ合挽肉を炒めるが、アクセントに輪切りの鷹の爪とブラックペッパーも加え塩を少々。仕上げに赤ワインをジャッと飛ばして缶詰クンの登場となる。
だいたい缶詰のミートソースはスターチなどでトロミがつけてあるので焦げやすく、中弱火でそっと合わせるように煮詰めてゆくといい具合になってくれるのだ。
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どうだい奥さん…いいカンジだろ〜♪
とてもカンヅメベースとは思えない味だぜ! 
たっぷりとパルミジャーノレッジャーノをすりおろしてトッピングしよう、せっかく買ったイタパセも忘れずにね。
ドコが不謹慎かって?
出来上がったボロネーゼは大マジメなんだけど、スーパーでさ… 



フォロナリ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ
DOC 2007 赤・MB


1825年、フランシスコ・フォロナリがヴェネト州ヴァルモニカにぶどう園を設立したことにはじまるフォロナリ
ラズベリーに湿った下草の香り
スパイシーな余韻がバランスの良いふくらみを感じさせる
かすかに見え隠れするオレンジピールがアクセント