鳴門の鯛茶漬け


 美術館のレストランでランチというのもナカナカにリッチな雰囲気なのではある。
たいていは小ジャレた洋食を提供するお店が多い中、サスガに鳴門海峡を目の前にしたこの美術館では「鯛茶漬け」などといった和風のランチを食べられるという一風変わった展開に同行者もヨロコビを隠せない様子だ。
 ジツは前日の夕食時に神戸のK氏から「アソコの鯛茶漬けはウマイのよ〜ん」と入れ知恵されていて、ボクたちはヒソカにソレをねらっていたのね。
鯛茶漬けといっても運ばれてきた盆にはゴハンと鯛の切り身やその他の具といったものは別々の皿に盛られていて、自分でスキなようにトッピングしてダシ汁をかけて食す…というシクミになっている。
鯛の切り身はいわゆる“ヅケ”状態でスリゴマがまぶしてあり、とても香ばしいのだ。熱いダシに浸かっても身が縮んで硬くなってしまうといったコトはなく、ネットリうっふ〜ん♪な甘みがスバラシイ。
 そしてやはりというように添えられたワカメちゃんが特上の食感と旨味でこの鯛茶漬けをミゴトな料理に昇華させているのよ。
鳴門の鯛とワカメ、二大名物が一度に楽しめる茶漬けというのも珍しく、単なるリベンジに終わらなかった今回の大塚国際美術館行きだったのだ。




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