♪こぉーべぇ〜、ないてどぉなるのかぁ〜
すてられたわがみがぁー、ミジメになるだけぇ〜♪
またしても捨てられたのである。
しかもショボショボ雨が降る中、観光客もほとんどいない神戸港をオッサンが二人カタを落として歩いている姿はさぞかしコッケイだったに違いない。
「神戸海洋博物館に行け」とGがクルマで送ってくれたのはAM10時前だが、ゲートに辿りつけばシャッターは閉じたまま…
一瞬去年の悪夢が蘇るがマサカと思い案内掲示を慌てて読むと「・・・」
はるばる北海道からやってきたKに落胆のキモチを悟られないようにボクは努めて明るく振る舞い、デパ地下やショッピングセンターの食料品店で珍しいモノを探し、購入しまくる行為で気を紛らわしたのだ。
そうこうしているうちに当のGからメールが来て
「残念でした。アンタの人生そんなもんよ(笑)」
ナヌ〜、ボケー! 行けと言ったのはオマエだろーっ!
◆◇◆◇◆
歩き疲れた上にヤリ場のない怒りからか妙にハラが空いてきたので昼食を摂るコトにした。Kと相談して神戸モザイクの中にあるブラジリアン料理のお店に入ってみたが、肉中心のバイキング形式なのに税別¥997とかなり安い…というより破格の設定なのだ。
Gから事前情報を仕入れてはいたものの、単品ドリンクを注文しても¥1500未満で収まるランチは有難い。
コーナーからサラダや煮込み料理スープといった副食を運んでくると、調子の良いブラジルおやじが肉を刺した大串を持ってテーブルにやってきては肉を切り落としてゆく。
以前にシュラスコを食べたコトはあったが、この店は種類も豊富で牛・豚の他に鶏やソーセージもラインナップされているのには驚いた。肉の部位も様々で、チョイスしては焼き立てを好みの量食べられるというのは何とも嬉しい限りなのだ。
シュラスコはスペイン語圏の国々で供される料理で、本来は牛肉を中心に豚や鳥も用いられる。畜肉の流通価格が安い国が多いので、そのほとんどがホジージオ(日本で言うバイキング形式)であるようだ。
食の大国・中国でも“バーシー・カオロウ(ブラジル焼肉)”の名でシュラスコを提供するレストランが多くあり、ソーセージにまで裾野が拡大していったのはその影響もあるかもしれない。
各テーブルには赤と緑に塗り分けられた円筒形の木が置いてあり、肉を食べる間は緑を上に、赤を上にすると「もう結構です」というサインになっている。例のC調オヤジは赤になっているボクたちのテーブルにもやってきては冗談を言ったり、ヒトのハラに手を触れて「オッキー!」などと大きな声で驚かせるなどナカナカに愉快なヤツだった。
シュラスコは基本テキに塩のみの調理なので、各自胡椒やソースなどをテキトーに使って食べる必要があるが、この店には特製のドレッシング・ソースが用意されていて、コレがジツに素晴らしい調味料だったのよー。
タマネギやトマト、ピーマンのホカにコリアンダー(パクチー)が刻み入れてあり、酸味の効いたサッパリ風味のヴィネガーソースが肉料理にプラスのアクセントを添える『モーリョ』だ。
フツーはこれだけ肉を食べればウンザリして思いのホカに量が食べられないものであるハズなのだが、このソース『モーリョ』に肉を浸し、あるいはコンカッセした野菜を包んで食べるといくらでもイケそーな気がする。
殆んど同じ味と酸味でコリアンダー抜きのソースも準備されていて、スキキライの激しいパクチー対策がされているトコロが非常に親切。いくら美味しい肉であってもイヤなヒトにとっては「コリアンダーで台無しやん…」ってなコトにもなるからね〜
フニッシュに頂いたのは牛バラ肉だが、このソースのオカゲで最後までキモチよく味わうコトができた。
肉ばかりについ目がゆきがちだが、ブラジル料理の定番“フェジョアーダ”や“ファロッファ”もきっちりコーナーに用意されていてヌカリないのである。
白いゴハン、パスタといったプレーン炭水化物もあり肉やサラダを楽しく味わう舞台が完成されていて
「あ〜、あとコレにビールがあればカンペキ…」
という結論が導き出されてしまうワケなのね。
もちろんこのプライスはランチのサービスなので、ヨルの部はもう少しアップして¥2415。ビール飲み放題のセットコースもあるようで、カップルや少人数よりも、気の合う仲間大勢でガサガサ突入するにふさわしいお店なのだ。
う〜ん、ソレにしても神戸はフトコロの深い街なのである。
◆神戸MOSAIC(モザイク)
http://www.kobe-mosaic.co.jp/
◆ブラジリアーノ(シュラスコ&バイキング)
http://www.kobe-mosaic.co.jp/floorguide/dining/world_dinning/3f-12.html