母君が四国旅行の土産に買ってきてくれた宇和島の蒲鉾は“錦巻”という名で、板に乗っていないタイプのものだった。
ぷりぷりとした食感にしっかりとした白身魚の風味、わずかに強めの塩分が逆に瀬戸内の潮の旨みを強調するようで、太平洋沿岸で作られた蒲鉾とはまた違った美味しさなのだ。
色違いのスリ身をシート状にして合わせ、クルクルと巻いては蒸して仕上げる作り方は静岡の焼津で多く生産されているナルト巻と同じものの、申し訳ないがナルトとは質が違い圧倒テキに上等なのが錦巻なのである。ただナルト巻の名誉のために申し添えておくが、小田原や静岡市内の有名蒲鉾専門店で作られている“鳴門巻”は、相模湾や駿河湾の新鮮な近海魚のスリ身が用いられており大変美味しくまた高級な味がするものもある。錦巻との差異は魚種の違いによる旨みや食感のノリなのであり、好みが分かれると云うより甲乙はつけ難い。
紅白に染め分けられたオメデタサから慶事や祭り正月には欠かせない食品だったようで、大勢のヒトが集まるときの鉢盛には必ず使われてきた。近年はそうした人寄せをする風習が少なくなってきたためか、錦巻はもっぱら贈答品や土産としての需要比率が高まっているのだそうな。
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一杯の肴に錦巻を切ってみたものの「ちょっとコレだけじゃねぇ…」と冷蔵庫内検査をジッコーした。
あるじゃん、いーモノ♪ 〆鯖を蕪や人参・生姜などとともに漬けた八戸の魚料理“〆鯖かぶら漬”が。
ドッチもワサビ醤油でいただくと一層の美味しさを楽しめる肴、酒がすすみすぎて…
昨日夕方の富士山
周囲の雲を変化させながら一日中よく見えていました
2008.10.29.
16:26
@Fujinomiya-City
日没直後
西へと向かう航空機が
雲の彼方へ消えてゆく
17:14
@Fujinomiya-City