(79)かごしま『もっと黒豚カレー』


 黒豚と云えば鹿児島とスグに反応してしまうほど有名なのではあるが、鹿児島県畜産試験場ではその改良研究への情熱を絶やすコトなく追及している。
明治時代に英国バークシャー種と在来黒豚に改良を重ねて出来上がった黒豚は豚肉の芸術品と呼ばれる「サツマ2001」に進化発展し、その高い評価と信頼性を盤石なものに築き上げた。
スーパーなどで豚肉を購入する場合、予算にヨユーのあるときは鹿児島黒豚にするコトもあり何度もその美味しさを経験してはいるものの、網焼やソテーなど肉そのものの味がモロに出てしまうような調理方法ではまだ食べたコトはないので一度は試してみたいと思っていた。
そんなトキにメガニストのb氏からこのカレーをお土産として頂戴し、また別の魅力を堪能する機会を得たワケだ。
キーマカレーのように黒豚は粗いミンチにされてはいるが、フツーの豚肉に比較すると格段に違う旨みと甘みを楽しむコトができる。丁寧に飼育されてはいるのだろうが、どうやらヒミツは飼料にもあるようだ。
鹿児島県黒豚生産者協議会によると“かごしま黒豚”のメイン飼料は「カンショ」でまさに地のモノで地のモノを育てるというエコロジーの原点のような方法を採用しているのだ。
効果としては脂肪の融点が上昇し不飽和脂肪酸含量が減少したり、赤肉脂肪中に抗酸化作用のあるビタミンEが増加すること、肉の繊維が細くなり保水性が高くなる…など「美味しい」と感じるための条件が数限りなく証明されている。
イベリコ豚もドングリで飼育し大変評価の高い豚であるが、チャンスがあれば一度「味比べ」もしてみたいなぁ、と思いながら食べた黒豚カレーなのであった。


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