鶏手羽元のこっくり煮

だいたいヒトの食べてるモノが旨そうに見えてスグに欲しがるよくないクセは、もう生涯直らないだろうし今更矯正しようとは思わないが…

ソレでも身の回りのカンケーだけならまだしもってコトもあるのだが、テレビのCMは始末が悪い。一番オイシソーな部分をセレクトし、しかも動画で繰り返し洗脳モードに追い込む手法は犯罪に近いものがあるように思えてならない。
♪クーリスマスがことしぃもやぁってくるぅ〜♪などといったキャッチーなフレーズが流れるとつい振り返っては「喰いてーっ!」と叫んでしまうボクは広告代理店の毒牙に冒された犠牲者なのでもあるのかなぁ
だがナニも米国田舎某州式鶏唐揚だけがトリ料理ではないので、安価な国産鶏バラ凍結肉などを購入してはショーユ味でこっくりと煮てニッポン民族の誇りを維持しようではないか、などと高尚な理論を振りかざすワケではない。
先日からバター臭い洋食っぽい料理が続いていたので、なんとなく醤油の香りが恋しくなってゴハンのお供にしようとしただけなのである。
ホントは水がわりに酢を使って“さっぱりやわらか煮”ってなヤツにしよーと思っていたのだが、ナゼか酢を切らしていた。
食品庫にはポン酢やドイツ製の白ワインヴィネガーなどはあったが、まさかそんなモノを入れてしまえばヘンなニオイがついてとんでもないお味になってしまうのはミエミエだったので、潔く諦めフツーの醤油煮に変更した。
お約束の煮タマゴも添えたのね、でも昨日の玉子は皮ムケが悪かったなぁ…。タマゴってヤツは新鮮過ぎても古くなっても茹で卵にした時の皮ムケがよくないものなのだ。しっかり茹でてしっかり冷やすとツルリと剥けてキモチのいいものであるが、そんなに都合よくイク場合ばかりではなく「ツイてないよねぇ」となるケースもままある。
サッと薄味に煮た鶏肉も美味しいが、こうしてこっくりと濃い味に仕上げた料理もタマにはいいものだ。煮汁をチョイとゴハンにかけ、硬くシマったタマゴの白身にシミた醤油味を横目に楽しむ鳥料理は、翌朝にまでも楽しみをもたらしてくれるものなのである。