山口県独特の製法『焼き抜き蒲鉾』


 “カマボコといえば小田原…”とキメてかかっていたボクだったが、先月行われたMJ新年会で「山口の某カマボコが旨い」という話題が出て「喰いたい喰いたい♪」と大サワギした卑しき呑み介に心優しき友人は購入に奔走してくれた。
宅配便の小包を開封すると意外に細身で小ぶりな蒲鉾が二本…伝統製法と最新のフィルム・ケーシング製法の二種類が並んでいて、先ずは外見からして関東の代表・小田原の製品との違いを実感するコトになった。

 “焼き抜き”とは山口県独特の製造方法で、フツーの蒲鉾は魚のスリ身を板に盛り付けては蒸して仕上げるのに対しコレは板の下から加熱してジックリ焼き上げる…と云う。焼き色をつけないのも個性テキで、他に例のない弾力が生まれる。
かの地ではその硬くて強い弾性を“足”と呼び大切に守っているし、また新鮮な魚でしかそうしたモノが生まれないらしく原材料にも大変な神経を払っているようだ。


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 食してみると品の良い旨みが凝縮されていて「あぁ〜カマボコってやっぱりこんなに美味しいのね♪」と感嘆すると同時に、ゴリゴリと硬いだけの安モノ蒲鉾とは全く別の反発力が口の中で踊り、ジツに満足なのである。
最新製法と伝統製法の違いはその“足”のデキが違っているが、基本テキなお味はそう変わらない…というより好みの領域なので“ソフトでありながらプリプリ食感の美味しさ”を求める向きはケーシング、“しっかりとした旨み香りを噛む楽しみと一緒に”という方は伝統製法のほうを…と選んでくれば良いだろう。
何れにしろ小田原蒲鉾とはまた違った悦楽を知ってしまい「カマボコと言えど奥は深いものなのだ」と恐れ入ってしまったボクなのね。



白銀本舗 株式会社杉本利兵衛本店
http://www.hakugin.co.jp/




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庭の紅梅が満開になりました
今年もたくさんの実をつけてくれそうです

Afternoon,Feb.11.2009.