(63) 愛知県大府・寿納豆本舗『 心 』


とにかくネバリ強い納豆なのであった。こんなにイト引きが強く掻き回す箸にチカラのこもるヤツは本場茨城県の藁苞納豆以来のような気がする。
そもそも愛知県産の納豆と云うのもコチラでは珍しいハナシで、納豆に関していえば東高西低といおうか商品の流れも東からやって来るものばかりで西のメーカー製品は静岡ではほとんど流通していないからだ。コレが浜松あたりだともう少し勢力地図も変わるのだろうが大井川より東は副将軍様のニラミもしっかり効いているようなのである。
しかし考えてもみれば納豆は全国ほとんどの地方で製造されており、特に醸造業の盛んな愛知県などでは逆にもっと多くのメーカーがあってもよいような気がする。
がやはりソコは地域性と云おうか県民性と云うべきはネットリうっふ〜ん♪よりもドローリうみゃあでよぉってなカンジを好むのであろうか、味噌ダレのような塩梅をヨシとする食文化のエリアなのだろう。

強靭なイト引きからはちょっと拍子ヌケするような中庸を行く味と香りの納豆ではあるが、全体にバランスよくしっかりマジメなお味がする。
そんな特性を活かして味付けした上で詰め物などに使ったり寿司ダネにすると持ち味が生きそうだ。もちろんゴハンにだって何のモンダイもない。
使われる納豆菌や水に始まり発酵や熟成のさせ方でこんなに違う特性を持つ納豆が出来上がるなんて、本当に面白く楽しいものである。


寿納豆本舗(有限会社高丸食品)
http://www.medias.ne.jp/~fwng0718/