とろろ芋と『茶そば』

静岡の名産品と云えば古くはお茶とミカンであるが、近年は養殖・栽培の技術も向上し様々な物品が世に供給されるようになった。
以前は天然モノしかなかった自然薯もその一つで塩ビパイプを利用した栽培法に成功したのは名物“とろろ汁”で有名な某飲食店の御主人だそうな。

江戸時代以前は静岡市の中心部を流れる安倍川を越すために鞠子や岡部と云う二つの宿場町があり、旅人に滋養をつけてもらうために自然薯を使った“とろろ汁”が振舞われたという。当時は自然薯を栽培する技術はなかったので名物を提供するために店主は山まで出かけての山芋掘りに忙しかったことと思う。
17世紀ごろ中国や朝鮮から移入された長芋も各地で栽培されてはいたが、やはり天然の山芋である自然薯の旨みやネバリと香りに勝るものはない。現在市場に流通しているヤマイモは概ね4種類あり“いちょう芋(手芋)”“長芋”“やまと芋”“自然薯”があり、いづれも他のイモ類に比べてタンパク質や脂質に富むという特徴が滋養強壮に効く…と言われては古来より珍重されてきた。
蕎麦にヤマイモを併せて食す習慣はお互いに不足する栄養素を補完し合うと云うメリットがあり、科学テキな栄養分析も出来なかったムカシの人々が長い間の経験から生み出した組み合わせなのだろう。
先日“茶そば”の干麺をテに入れたボクは早速スーパーに出向いてナガイモを購入してきた。すりおろしたりする作業はちょっとメンドーだが蕎麦と一緒に飲み込む時のツルリとしたノド越しを想うとどうしてもやらざるを得ない魅力に満ちている。
茶そばは外食などで食すと香りもヘッタクレもないような駄モノが多いのであまり注文する気は起きてこない。できれば良質な茶そばを入手し自分で茹でたてを…と、素晴らしい静岡のお茶の香りを楽しんでいただきたいものだと思う。



池島フーズ株式会社
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今朝の富士山
笠雲形成ちう…

2009.06.04. 04:47 @Mannohara, Fujinomiya-City
 


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