印度で修行してきた浜松のM氏の土産はレッキとしたインド製レトルトカレーだった。日本の商社が輸入している同様な製品もあるので、本場インドのレトルトカレーの美味しさは何度か味わってはいたが、やはりメーカーが違えばそのお味にも個性が出るのではなかろうかと楽しみに食してみたのよ。
パックを開封すれば香辛料の香りがパーン!…ということにはならず、ほんのり香る優しいスパイス。そんなにサラサラでもなく溶けた野菜の自然なトロミが適度な粘りで「ウ〜ム、コレならナーンを準備しておくべきであった…」のである。
多くの日本製レトルトカレーとの違いはその量の多さにもあり、日本で一般テキなものが200g前後であるのに対しインド製は300g近くのパックであるものがほとんどだ。「インド人はやっぱりカレーを大量に食べるのだろうか」というギモンは現地に行ってみなければ判らないのだろうが、メガ盛り時代の食欲旺盛な若者ならばコレくらいは楽勝かもしれない。ずいぶん鶏肉がたくさん入っているのでパッケージのウラ書きにメを通すと“内容量の25%”と書かれており70gほどもある計算になる。
ボリュームの大きさにも満足するがソースにはハッキリ言って脱帽だ。このカレーは“フェヌグリーク”という香草がたっぷりと使われており、またそれがウリのカレーでもあるらしい。インドを始め中近東でも多用されるこの香草はマメ科の植物で、カレー料理に独特の苦みと甘い香りを加えてくれるものである。
パッケージ写真に写っていたレモンシャトーをそのままマネてみたが、コレがまたジツにハマってしまう美味しさだった。カレーにキュッとレモン汁を絞りかけて食せば生クリームやヨーグルトで豊かなマイルドさになったソースにある種の輝きのようなものが生まれ、カレーの素晴らしさを殺さずさらに美味しくいただけるのだ。
半分は残してはまた食すつもりだったが、思わず全て平らげてしまった昨日の昼食なのである。