とことん食べ尽くす『塩鮭のアタマ』

昔ながらの塩鮭は“山漬け”と呼ばれ塩分も強く身肉は固く変化しているが、鮭自身の持つ旨みと自然発酵のチカラとが合わさり、生の鮭にはない美味しさがある。

冷凍・冷蔵貯蔵の技術が発達した現在では単に保存と云う目的だけから言えば不要な加工だろう。しかし一度その美味しさを知ってしまうと古来より“塩引き鮭”が人々の暮らしに浸透していたコトや、年末の贈答品として重要な物品であった理由が解るだろう。


塩をスリ込んでは水抜き乾燥させ再び塩蔵したりと大変な手間と労力をかけて出来上がる“山漬け”は安価な冷凍モノの鮭に押され生産量は細々としたものになってしまっているらしい。
それでも高級料亭や一部の熱狂テキな塩ジャケ信者からの需要が切れることなくあるので、いくつかの漁協ではその技術を伝承しては後世に遺してゆこうという努力をしている。ボクはたまたま世界遺産の知床に親戚を持っているのでこうした鮭を毎年楽しむコトができるが、自分で探したり購入しようとすれば結構な労力と出費を覚悟しなければならないだろう。
そんな貴重な鮭のアタマである、氷頭なますや石狩鍋といった料理にしてトコトン食べ尽くさなければバチが当たると云うものだ。今回は焼いて身を取り出し茶漬けにしたが、やはり極上の美味さである。中骨についた身さえ僅かでも残すまいとシャブり尽しては鮭の命のエネルギーをいただこうではないか。
声高にエコだスローフードだと叫ばずとも、ムカシの人々はこうして自然体で暮らしていたのだよ。












7:29AM


久しぶりの青空







でも富士山はこの通りで…
2009.07.04. 07:32 @Mannohara, Fujinomiya-City