つぶ貝のやわらか煮と菜めし

農民市場に行くと新鮮な大根を売っていた。まるで地面にある時のように生き生きとした葉もついていてみずみずしい。


スーパーなどでは大根の葉は切り落とされている姿しか見ないし、この農民市場でも荷造り台のワキには包丁とバケツが用意されてあって購入したヒトはスパッとやっては家庭に持ち帰らないシクミになっているらしい。
モッタイナイ話なのである。栄養を吸い上げては陽の光を浴びてスクスクと育った青葉を何で捨ててしまうのかボクには全く理解ができない。栄養だって豊富だし、調理もザクザクと刻んではサッと塩茹でしてやるだけのカンタンなものなのにねぇ…
茹であげたアト冷水に晒すと鮮やかな色となって見た目にはよいが栄養価は下がってしまうようだ。ミネラルやビタミンが水に溶け出てしまうのね。そのままザルに開けこぼしては団扇でパタパタと煽いでやれば適度に水分も飛んでいいカンジになるのよ、色も鮮やかなままだし。
炊きたてのゴハンに混ぜてちょいと塩とゴマを振ってやれば極上の“菜めし”が出来上がる。大根の香りや旨みもちゃんと息づいてるし、ほのかな苦みが食欲をかきたて、これからの暑い季節には格好のゴハン料理となるワケだ。
味噌汁の具にも使った。油揚との相性は親分の大根本体譲りだし、彩りもよくジツにナイスな具なのである。最近はやってはいないがゴマ油で炒めて軽く醤油で味付けしたものはそのままゴハンに最高のお伴になってくれるし、酒の肴&箸休めとして活躍もする。
こんなに美味しい野菜がリッパな大根のオマケについてくるなんて、ホントはニッポンも豊かなハズなんだけどな…
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妹君の北海道土産である“つぶ貝のやわらか煮”は釧路のフッシャーマンズワーフMOOでのお買いものだったようだ。北海真つぶのねっちりトロリとした旨みが甘辛い味付けに仕上げられていて見事な出来栄え。菜めしに乗せて食すと「いや〜ん、ウマすぎ♪」となり貴重な一袋があっという間になくなってしまうではないか。ウ〜ム、ココは少しセーブして酒の肴用にもにカクホしておかねば…とキンチョーするエロおやぢなのである。

この日の昼食は浜松のM氏が印度行脚土産のカレーと一緒にお持ちくださった“印度製即席袋麺”なのであった。レトルトのカレーはスプリームな美味しさだったので、スープやブイヨンで有名なMaggi現地法人のテによるものならば…とかなり期待度は高かった。
先般から早く食べたくて仕方がなかったのだが、そのままストレートに食すのは芸がなさ過ぎなのでどんな食材トッピングと組み合わせて調理するのがベストなのか…と頭をヒネっていたワケなのだな。
袋に写真印刷されているように茹でタマゴとネギは外せないだろう。ちょっと大葉や茗荷などのハーブも刻んでトッピングすればエスニック感倍増っ!ってな具合でいいんじゃないのかなぁ…などとヨケーなコトも思いついてしまい準備を始めるのである。
「インドってコトはカレー味である」と容易に想像できるし、写真のスープだって黄色っぽいじゃん。

トコロが出来上がったものは薄〜い塩味のついたチキンスープみたいなもので、濃い味を期待していたボクはあっさりとはぐらかされた格好だ。しかもカレー味でもない…
そして麺がまた出来そこないのヒヤムギみたいなヤツで激マズなのである。こんな不味いインスタント麺は初めて喰ったぜ!の世界で、あらためてニッポンの即席食品の加工技術の素晴らしさを身にシミて感ずる瞬間なのであった。
いや〜思わぬトコロでいい勉強をさせていただきました、浜松のM氏に感謝の午後なのである。








Sora

Evening, July 08. 2009.