メヒカリの天ぷらで『天磯おろし蕎麦』


今朝はお嬢ちゃまの弁当を作った。ハナシの勢いでそーなってしまったワケであって自ら望んでやったコトではないにしろ、いったいこの“肉食弁当”はなんなのだ!というくらい動物性脂肪と炭水化物が総重量の90%を占め、頗る栄養バランスが悪い弁当である。
魚ダメ野菜キライとなればこんな弁当にせざるを得ないのであって、ジブンが食べるならこんな弁当は絶対に作らないよなぁ…
しかしこの弁当の容器は少ない食材を多く大きく見せる効果があってナカナカに結構なのである。以前に小淵沢まで行ったときに購入してきた駅弁“風林火山”は武田菱をモチーフにした仕切りが付いていて「何かのトキに使えそう…」としまっておいたものだったのね。
   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
福井では大根おろしをのせた蕎麦がポピュラーらしいが、静岡の老舗蕎麦屋さんでもそうした商品が昔から人気を博している。皿盛り蕎麦に大根おろしと海苔をトッピングしたっぷりの刻み葱で食すぶっかけ蕎麦“磯おろし”は静岡市清閑町にある戸隠そばさんの登録商標だ。
天ぷらを添えたものは“天磯おろし”となり、海老とキスの二種類があってドチラも捨て難い魅力がある。まぁ出掛けて行ってご本家様の名品を食すのもいいが、ちょっとマネゴトをしてみようではないか…となったワケなのだ。

冷凍ブラックタイガーもあったのでスタンダードに海老天と行きたいところを庫内にメヒカリを見つけてしまった。「おっ!シメシメ、コレの天ぷらもいいじゃん♪」
メヒカリとはエソの仲間でアオメエソが正式名である。英名のGreeneyesの通り青緑に光る目が深海性の魚である証しだ。大きさはちょうど中ぐらいのキス程度で淡白な白身には脂も乗っていて大変美味しいが、小骨が硬いのでそのほとんどは練り製品などの加工用に回される…という魚である。
福島県いわき市では“市の魚”として、静岡では一夜干しの“トロボッチ”として親しまれている庶民派で、天ぷらやフライにするとキス同様あるいはそれ以上に美味しい魚なのである。
思った通り、お店にはない天磯おろし…まんまと愉悦のトキを手に入れた。









Sora

5:18AM, July 16. 2009.