軟白葱がキモだよ『牛肉のネギ味噌焼丼』

牛肉を味噌ダレで焼いて食すのは月並みな料理だし、ソコにネギを加えたものも特に珍しいワケではない。

しかしどうしてネギが入っただけでこんなに美味しくなってしまうのだろうか。単に食味が良くなるだけでなくネギの持つ成分が料理の栄養バランスを良いものに変え、ヒトは動物として自然にソレを求めているのではないか…という推測が出来るのである。
特有の刺激テキなニオイと辛みは玉ネギやにんにくと同じ硫化アリルが正体だ。切ったり加熱すると、ソレは酵素により分解され殺菌効果のあるアリシンに変化する。アリシンはビタミンB1と結合してアリチアミンになりビタミンB1の吸収をさらに加速させる。血液中で長時間維持するのでスタミナの補給や疲労回復に効果を発揮するという。
さらにアリシンは血中コレステロールの上昇を抑える働きもあるので動脈硬化の予防にも役立つ。においの成分であるアリシンなどの硫黄化合物には抗酸化作用まである…といったまるで“カモネギ”状態で、牛肉に限らず畜肉に多く含まれるビタミンBをカラダに取り込むのに都合のよい食材がネギなのだ。
科学的な分析や資料もなかった昔からヒトはこうして食材の出会いをプロデュースしてきたワケであるが、ソレが自然の摂理の下で行われ引き継がれてきたことには感心してしまう。
まぁ小ムズカシい話はヌキにして「美味しいと思う組み合わせにはちゃんとしたワケがあって、カラダにもいいんだよ」くらいに思って、目の前にある料理を楽しもうではないか。















Afternoon, July 21. 2009.