地物『生しらす』でばっくりゴハン

たい焼の部活ついでにスーパーの鮮魚コーナーをプラつくとイキのいい生シラスがあった。
シラスと言えば由比か用宗とはいうものの駿河湾奥一帯ではイワシの稚魚は広く回遊しておりこの産地は沼津だ。もちろんレッキとした地物なのである。

茹でたり干したりしたモノは冷凍でもまずまずイケるが、生食用だけはいただけない。朝に漁獲したものをなるべく早く食すのがセオリーで、少しでも時間経過してしまうと苦みが出てきてしまい、そのはんなり優雅な味わいに濁りが入ってしまうのだ。冷凍解凍モノや鮮度の落ちた生シラスは弾けるようなプリッとした食感も無くなりネバリも出てしまってとても同じものとは思えないくらい差がある。
センスの良くない料理屋ではイクラやウニなどといった強い味の魚介と組み合わせてドンブリ飯で提供しているのを見かけるが、この繊細な味わいのシラスをそんなお下品な食べ方をしてしまうのはマコトにもったいないハナシなのであり、ぜひ一発単品勝負をお願いしたいものである。
ヒトの好みにケチをつける気はさらさらないが、おろし生姜もせっかくの旨味と香りを殺してしまうような気がしてならない。以前はボクも刻みネギにおろし生姜を添え喜んで食していたとはいえ、一度生シラス本来の味を知ってしまうと、とてもソレが無粋なコトのように思えてくる。
アツアツ炊きたてゴハンに刻み海苔と浅葱を散らし、ソコにど〜んと生しらす。そしてわさび醤油で…
あぁ、至福のヒトトキなのである。




Sora

5:23AM, September 11. 2009.