北海道雄武産『ソイの煮つけ』

旭川から北東に80kmあまり、オホーツク海に面した漁業と農業の町・雄武(おうむ)がある。
ホタテの養殖や鮭やカニの漁獲などが主な産業だが、酪農にもチカラを入れていてアンガス種肉牛のビーフをはじめとした畜産品も豊かな町なのである。


そんな雄武町の海産物を常設販売しているコーナーがナゼか富士宮農民市場内に出来た。大きな冷凍ストッカーには様々な魚介類が並び懐かしい北の海の幸にドキドキしてしまった。価格も一般市販に比べかなり安い。
同じ塩鮭でも“山漬け”と呼ばれるヒジョーにテマヒマかけられたものが置かれていて、コレも気の毒なくらいのプライスが付けられている。塩蔵と風乾を繰り返し旨味が濃縮された鮭はヒトの手によってしか作り得ない伝統食品であるだけに、近年は後継者不足からその生産量が減少しているが、その美味しさを知っている方々からは絶大な支持を受けていて価格は高騰の一途なのである。
知床の親戚から毎年ソレを送ってもらっていたが、昨年からご本人も現役引退を決意されたようで家業は息子さんに譲られた…というコトを聞くに及び「あぁ、あの美味しい塩鮭はもう食べられないのか」と落胆していたのである。
その山漬けがこの富士宮の農民市場でテに入るなんて思いもよらぬコトで本当に嬉しい限りなのだ。
   ◆◇◆◇◆
ストッカーの中に見つけたのは“ソイ”という魚の冷凍品だった。頭を落とし内臓を抜いた状態で三尾、お値段は¥300と激しく安い。
北海道沿岸で漁獲されるカサゴメバルの仲間で美味しい魚だ。真鯛のいない北海道ではこのソイの表面を紅く染め、タイの代わりにお目出度い席の料理に使用する習慣があった。ボクが初めて食したのも結婚式の引き出物折詰に入っていた“紅いソイ焼”でその美味しさに驚き、以来大ファンになってしまった。
今回は煮魚にしてみた。脂ものっていてホックリと柔らかな白身がジツに美味い。冷たい北の海で育ったソイの旨味にほんのり薫る昆布のような香りがプラスしていて温かなキモチになる。千歳鶴を飲るテが止まらない。
いいなぁ… 北海道って




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