春の野草「野蒜」を食す・その1『トルティージャ』

田んぼの畦や河原の土手に自生している野蒜(ノビル)は春になるとニョキニョキ出てくるネギ属の多年草だ。古代からニンニク、ニラ、ネギ、ラッキョウと共に五葷(ごくん)に数えられ食用にされてきた植物だが、ナゼかコレだけは人為テキに栽培されることがなくセッセと摘みに行かなければならない。
葷(くん)ネギ属の古語
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当家の菜園は田んぼに隣接していて畦というかスキ間の土地にこの野蒜がたくさん生えている。以前は母君が丹念に抜き取ってきては洗って食用に提供してくれたものだが、高齢者にはキツい作業なので次第に遠ざかってしまっているのである。
だったらヒマなバカ息子がやればいいじゃん…なのであって極楽トンボ稼業ならではの時間の使い方をすべしと心得るべきなのであるが、やはりメンドーには違いがなく見て見ぬフリでホトボリの冷めるのを待つばかりなのだな。
そんなボクがフラリと立ち寄った富士山やさいセンターにはその野蒜が売っているではないか。結構な分量で¥150、オマケにちゃんと洗浄までしてあって有難いコトこの上ない。
早速購入して例のアレを作ろう!とウキウキ家路を急ぐのである。
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球根部分とその少し上まではアレに使うが、葉先部分も結構な量があって捨ててしまうにはモッタイナイのだな。ブチッと切って香りを嗅ぐと葱というかニラのような匂いがふわりとしてきて美味そうではないか。
炒め物などに使ってもイケるに違いないが、そうだ!あの国のタマゴ料理にしてみよう…

嫁ぎ先はスペインだった。そう“トルティージャ”という洋風の厚焼玉子に入れてみたのだ。
ガーリックオイルを使い、ジャガイモをはじめとした根菜にベーコンなどの畜肉製品を加えて焼き上げるこの料理にはピッタリだろうという目論見は的中した。見た目のグリーンも鮮やかで結構なものだが、野蒜の香りがトルティージャに程良いアクセントを与えて素晴らしいタマゴ料理になってくれた。
春の野草の楽しみがまた一つ増えたのよ。


☆ やっぱりジブンで摘んでくるべきですかね(笑) クリックで応援して下さい!





シゴトで出たついでに富士宮浅間大社に立ち寄った昨日
快晴&枝垂れ桜は満開でしたが、何せ風が冷たくて…
でもあれだけの風雨やミゾレにも耐えて、草花ってスゴイなぁと思うのでした




Afternoon, March 30. 2010. @Fujiniomiya-SengenJinja Shrine