やきそばスティック

「こんなコトやってもねぇ…」と町おこしに担ぎ出された“富士宮焼そば”は市民の嘲笑を浴びていたものだったが、いつの間にかB級グルメの王者として全国区で知られる存在になってしまった。
独特の食感の麺に肉カスや魚粉そして名産のキャベツの組み合わせは、ほとんどのヒトが美味しいと笑顔になれる庶民の食事だ。B−1グランプリでも常連となったばかりでなく全国のイベント会場でその幟旗をメにする機会も激増した。

そうなるとコレにインスパイアされた新たな商品も登場してくるワケであって、カップ麺に始まりスナック菓子やフリカケなど様々な製品が“う宮ゃ〜富士宮焼そば”というオレンジ色の意匠を纏って各地の土産物屋やコンビニに並んでいるのだな。
まぁそういったパロ系食品には少々食傷気味なボクは見向きもしないのではあるが、先日富士宮浅間大社まで桜を観に行った道すがら、老舗のかまぼこ屋さんの店先で面白いモノを見つけてしまったのでつい購入してしまった。
正統派の板蒲鉾と並んで店先の一等地にディスプレイされていたものは『やきそばスティック』というナマエがつけられていた。揚カマボコの具材に富士宮焼そばを練り込んでしまった…という珍味は一本¥200とそう特に安いものではない。しかしソコは老舗の蒲鉾店が製造するものだけあってサカナのスリ身には上質なモノが使用されていて、ソコラで売っている安物の揚げカマボコとは一線を画しているのである。
店先でお店の方に声をかけると、奥から出てこられたのは未だ大学生だったそのムカシに青少年の奉仕活動でお世話になったK氏だった。何十年ぶりの再会である。そうか、あの頃は知らなかったが彼はこのお店の跡取りだったのだな…
少しだけ当時の仲間の近況などを語り合って店を後にしたが、すっかりリッパになった当時の青年はボクをキチンと憶えていてくれたのがミョ〜に嬉しくもあったりしたのね。
少し温めてから食すとよろしい…とのアドヴァイスに従いオーヴンで加熱してみた。揚げたてのような香りと食感が蘇ってくる。
サスガに蒲鉾なので肉カスや魚粉は入ってはいないが、キャベツ・イカ・ネギといった食材がそれぞれのシゴトをきっちりこなしていてイイ感じだ。そして焼そばに欠かせない紅生姜がこの揚カマボコのお味をキュッと引きしめてジツに美味しいのである。
そのままでもモチロン結構だが、お好みのソースで食すのもまた楽しい。お店のおススメ通りに少々一味唐辛子を混ぜ込んだマヨネーズで食すと一層この美味しさが引き立つ一品なのであった。


かまぼこ かまてい (蒲貞蒲鉾店)
http://fuji318.jp/ec/kamatei/
静岡県富士宮市宮町9-2
TEL=0544-26-2814 FAX=0544-26-2814
ACT=9:00-19:00 水曜定休

地図




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