ソラマメのベッド

年も明けると熊本あたりのソラマメが店頭に並ぶようになるが、ソコはグッとこらえて地物の登場を待つのである。そう、ボクはソラマメの塩茹でが大好物で「枝豆とドッチがいい?」と問われれば圧倒テキにソラマメなのだな。

そろそろかな…と思い農民市場に行ってみると案の定入荷していた。
両手でザッと掴むくらいの量が入っていて¥200という価格はそう安いものでもないが、大体においてソラマメは例年そんなお値段だし旬がピークに達してもそう変わらないので迷わず購入する。
既にこの時点でグラスに注がれる冷えたビールが脳裏にチラつき、ホカの買い物もいーかげんに済ませてしまいたくなるほどソワソワして家路を急ぐエロおやぢだ。

家に着くと早速鍋に水を張り湯を沸かす支度を始めた。
枝豆と違いサヤから実を外して茹でなければならないのでそのための時間を必要とする。
外皮は固いものの弾力が失われていないのは新鮮な証拠だ。ツメを立ててパカッと割るとスポンジのようなベッドにマメが並び「起こしちゃってゴメンネ」みたいなカンジである。
本当に見る度にこのベッドには感心する。フカフカしていながら触れてみればビロードのように滑らかな感覚、こんなモノに包まれてソラマメはスヤスヤと休んでいるのだな。
ちょっと過保護な気もするが、だからこそメタボ気味な美味しいマメに成長してゆくのである。
食すのは実の部分だけだがこのベッドはいつまでも眺めたり触れたりしていたい欲望に駆られる。ちょうど好きになったオンナの性器をずっと触っていたいと思う感情に似ているかもしれない。
ナニかホカの事に利用できないものかとは思うがボンクラなエロおやぢにそんなチエはなく、ナメたりはしないもののひとしきりイジクリ倒してサヨナラするしかない。ジツに惜しいのである。

剥いてみると「コレっぽっちかよ」と若干落胆するのも毎度のコトなのでもう慣れっコだ。
数えて見ると29粒、あとひとつでキリのいい数だったのに「まぁボクの人生ってこんなもんよね」と齢五十も過ぎれば諦観の境地となり、今さら高い望みは持とうとは思わない。
ただもう少し…とソラマメとはカンケーない人生論をココで披露しても仕方がないのだな。

食事の前の料理写真撮影は当家では“儀式”と呼ばれ家人は半分諦め顔で眺めているだけである。
ソラマメの場合はまたベツの儀式が必要で、まるで割礼のようにその黒い秘部にちょっとばかしナイフで切り目を入れてやる必要があるのだ。
あまり深く入れ過ぎるとマメ本体に水が入ってしまい茹であがりがフヤケた感じになってしまうので注意されたい。ナニゴトもヤリ過ぎは禁物だが、九浅一深とかミョーなテクニックを弄する必要はなくチョコっとピンポイント攻撃するだけで最高の快感が得られる…違う!…充分な結果が得られるというものだ。
さぁ、湯が沸いたらソコに塩を入れるのね。ヤサイなどのモノを茹でるときにナゼ塩を入れるのかと云うと三つほどワケがあって、先ずH2OにNaClが加わることによって沸点が上昇し加熱時間が短縮される…つまり栄養素のムダな破壊が少ない…ということ。
第二に水の比重が高くなるのでアクが浮きやすくなること。そして第三番目は素材に塩分が付着あるいはシミ込んで旨みを感ずるようになること…というシクミなのだな。

ソラマメには独特の臭気があってソレを嫌うヒトもいる。ウ〜ム、ボクはソコがスキな所なんだけど、そんなところもアレに似ているなぁ…って、どうしてそんな方向に引きずり出したがるのだろう、ソラマメはエロスの導引剤かよ。
茹でるときに酒を少々加えるとその青臭さも和らぎいい感じになる。しかしその匂いこそがソラマメの個性なのであって完全に除去してしまうと、これまたつまらないものになってしまうのだな。冷凍のソラマメがあまり美味しくないのはそんな理由があるのかも知れない。
茹で時間はキッチリ2分間。タイムアップしたら間髪を入れずに湯切り後ザルに拡げ、ウチワなどでアオいで熱っ気を飛ばす。間違っても水にとったりしてはならない。

パタパタと風を送ってやるとソラマメの香りがしてきて、ひとつふたつとツマミ喰いしたくなる。待て待て、もう少しのガマンだ。
切り目を入れてやった効果なのかヒドくシワも寄らずにふっくらイイ感じになっているではないか。都合よく皮が割れてしまったおマメちゃんがあって
「アタシをお試ししてみる?うっふ〜ん♪」
みたいに誘ってくるのだな。いわゆる据え膳というヤツなのでゴチソーになることにした。
おぉ!コレはカンペキだぜ。 個体も大きく皮が厚い…というハラがあってソラマメの茹で時間にはいつも迷いが生じる。が、ココはきっちり120秒というタイムでゴリ押ししてオッケーである。
ザルに拡げたばかりはなんとなく茹で足りないような見た目に不安が拡がるものだが、余熱でちょうどいい具合に火が入って食した時にその成功とヨロコビをかみしめるコトになる。
ビールがなんといってもイチバンのお供である。ただちょっと趣向を変えて冷酒で…と云うのもまた素晴らしい食卓となる。そしてコレを食すと「あぁ、もうじき梅雨がやってくるんだな」というキモチになる。


ソラマメの初物を楽しむころにはラッキョウの新物が出回り始める。今年は気候が不安定だったからその作柄はどんな具合なのだろうか…と心配しているのだ。
今年は例年用いる“鳴門らっきょ”にしようか、それとも久しぶりに“鳥取砂丘らっきょ”にしてみよーかな、などと考えながら楽しみにしていたビールをグビリと飲ってみた。
ん? なんかヘン…
って、コレってローアルコールビールじゃん!
「ビール純粋令に基づいて製造…」云々と謳っていたのでヨロコんで買ってきたビールだ。どーりで1本¥88なのはそーゆーワケだったのね…トホホ、よく見なかったボクが悪いのだ。
せっかく美味しいソラマメなのである、急ぎいつものビールを冷蔵庫から取り出したのは言うまでもない。





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今朝の富士山
様々な雲が浮かぶ夜明け前の空
笠雲まで…とおもっていたら間もなく曇天になってしまいました
お天気は下り坂、予報は終日雨か…



4:08AM, May 19. 2010. @Fujinomiya-City         Original Photo











かぶちゃん
おはようございます! またもや失敗(笑)でやんすノ(´д`*)

だよね…安すぎるもん。ワインやビールも置いてる例の輸入食料品店だったもんで早トチリしました。
でもさ、ローアルコールビールに「ビール純粋令」云々を謳わなくてもいいと思わない?(笑)
基本テキに茹でるだけの調理だから、今度ソラマメもぜひ生を♪
あら〜“まぐろフレーク味付”ってこんなオシャレな缶になってるのね。イージーオープンにもなってるしさ… 昔はカンキリでキコキコしたもんだけど(笑)
今度買ってみよーかな〜 よくワゴン特売やってるし(≧∇≦)b
へぇ〜セコマってオリジナルの袋麺まで売ってるのね!



う〜様
おはようございます! 焼酎で割って飲みました〜(^o^)v
ちょ〜マズかったっス(爆)もー二度とやらないっス(;´Д`)ノmmm
それならナメクジ退治に使った方がマシだったぜ… って退治するほどヤサイ育ててないんですけど(笑)
ソラマメは小海老と中華風に炒めたモノも美味しいですね、パスタに使っても彩りがいいし。ぜひう〜さんチャレンジしてみて下さい!



ひろ♪さん
おはようございます! ええ、毎日違いますから(笑)
真っ暗な夜空からぼぉ〜っと浮かび上がってくる雲の様子は鳥肌が立つほど神秘テキなものでした。前日から雲の様子が変わってるな…とは思っいたのですが、ココまでとは想像してませんでしたよ。
だから面白いんですよね、富士山って(`∀´)☆



がんたなまえ(笑)さん
おはようございます!改名したんですか?(爆)
店長のソンブレロさんはお元気でしたか… お忙しいご様子とは聞いておりましたが、どうされているのかと思っていたところでした。
あまりワガママを言って店長を困らせてはイケませんよ(笑) もうトシなんですから\(≧▽≦)丿
今朝NHKで“ライダーが集う無人駅”ってやってました。カブ友とのツーリングに如何でしょう
http://motor.geocities.jp/hayabusaeki/



みいさん
おはようございます! 妄想から暴走 はないですよね(笑)
そうか、ビールを飲まないってーのは痛いなぁ… ソレ飲ってると“どうしても欲しくなる肴”があってね、シカタなしに作らざるを得ないから料理のバリエーションも増える… っていい循環(笑)になるんですけど。
あぁ、ベツに難しいモノではありませんのでぜひチョーセンしてみて下さい、SORAMAME♪



ムー吉殿
おはようございます! 口蹄疫のワクチンですか(爆)
福井ではヒトにも接種するんですね、サスガです〜\(≧▽≦)丿 って、例のダニ野郎の治療ですか?
ボクもガキのころに一度ヤラれたコトがありました。ワキの下に喰いついてましてね、たっぷり血を吸って肥えておりましたよ(笑)
目眩がする…って違うコトにクラクラしてんじゃないの?