白菜をテに入れるつもりが意外なモノに…@八ヶ岳カンティフェア2010

今年も八ヶ岳カンティフェアに行ってきた。正式にはポール・ラッシュ祭〜と冠するフェアなのであって、清里の開拓に献身した同氏の偉業を讃えるイベントでもある。
富士宮を出発したばかりは薄曇りで朝霧高原辺りでの気温は14℃を下回っていた。それでも甲府盆地に入ると20℃近くまで上昇しちょっとホッとするのである。


いくら暑がりなボクであってもカンティフェアに行く度に寒い思いするのはカンベンしてもらいたいと思うのであって、薄めのフリースを準備して行ったのは正解だった。案の定会場入り口の気温は16℃、温かい飲み物が欲しくなる。
到着はイベント開始の10分前で誘導された駐車スペースからわずかに歩いて開門を待つ列に並ぶと美しい青空が拡がっていた。そして絵に描いたような見事な雲の列にカンドーを覚えるのである。

頗るカイテキな空気と湿度は「これ以上ナニを望むのか!」という素晴らしい呼吸が出来るシチュエイションで、今や遅しと開場を待つのに苛立ちはない。おぉ〜、今日は清里から富士山も見えているではないか。
そのうちパンパンというかドンドンという轟きで開演を知らせる花火が打ち上げられ、今日のプログラムをアナウンスする女性の声が聞こえてきた。う〜ん、ソレはソレで楽しいのだろうがボクの目的は地元の婦人部みたいな団体が毎年テントを設置しては提供する“新蕎麦”を喰うことなのであって、年々増加してゆく飲食テナントが送りだしてくる肉の焼ける匂いやスープや焼もろこしの悩ましい香りをかいくぐって真っ先に向かうのはそのマーキーなのであった。
開場直後なので詰めている要員にはまだ落ち着きがなく備品も乱雑に配置されたままだが、いちおー蕎麦を茹でる湯も沸いているようだしツユのいい香りも漂っている。
早速蕎麦を注文すると「今日の一番乗りだよ〜!」とオバチャンは嬉しそうに語ったのであった。
「えへ、ジツは去年もボクが一番客だったんだよ」
と言うと周囲の人々までもが顔を綻ばせて歓迎してくれたのは気持ちがよかったのだな。

そう、ソレはC調なウソでもなんでもなくホントのことなのである。例年寒い中で開催されるカンティフェアではこの一杯の温かな蕎麦がどれだけその後の行動に活力を与えてくれるか。しかも他の営業スペースと違いソコはロクな看板もなしにシブく蕎麦一種類だけを提供しているのであって一般の方々のメにはつきにくいかもしれない。とにかくソコを目指して一目散なボクなのである。
   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
調理係のオバチャンは蕎麦を茹で慎重に麺をハカリに乗せては一人前の計量をしている。何せ今日はコレが最初の提供なのであるから大まかな目安をつけているのだろう。早くドンブリに入れてくれないと冷めちゃうじゃん(もしかしてボクが実験台かよ)と思っていたらやはり

「おツユの味はどお?」
などと聞かれてしまった。いやいや、蕎麦が美味けりゃツユの味なんてどうでも…とは言えず
「ええ、大変結構なお加減で…」
などと今度は調子よく切り抜けてはサッサと温かい蕎麦にありつこうという一心なのであった。
折り畳みテーブルがデコボコに置かれたカウンターにはネギ・揚げ玉そしてお楽しみにしていた刻み唐辛子がプラスチックに盛られて並べられトッピングの準備がしてある。
ボクは“ネギたっぷり・揚げ玉少々・唐辛子やや多め”というスタイルで食したかったのだが、今年は例年のセルフではなくカウンター係りが盛り付けてくれるのであった。心ない行動をするヒトが増えてしまったがための対策なのだろうか、残念だが仕方がない。唐辛子だけは多めに入れてくれるように申し込んだら快くトッピングしてくれたのが有難かった。

う〜む、すっかり前置きが長くなってしまったが、結論は“極上の蕎麦”だよ!と毅然とした態度で宣言できるものであった。
一番乗りをするのは「蕎麦の三タテ」を狙っているのでもあって、そのうちの二つの“打ちたて・茹でたて”は最低限確保できるという目論見もあるのだよ、ただハラがへって喰い意地が張っているだけではないのだな。
プリッとした食感、甘い薫りで惹きつける蕎麦の香り、そして楽しみにしていた唐辛子の旨い辛さ…コレだよ、コレコレ! そんな期待は全く裏切られるコトなく胃袋に収まってゆき満足なのであった。

さて、オナカも温まったことだし次の目標は毎年フェアの二日間だけ限定販売されるイヤーモデルならぬ“イヤーソフトクリーム”だ。今年は昨年に引き続きブルーベリーだったのにはちょっとガッカリしたが、ソレでもこの濃厚な美味しさはホカでは絶対に味わえない逸品なので美味しく頂いた。
そして八ヶ岳高原に行こうと決めたワケの一翼を担ったのは現在チマタで高騰している白菜を入手することなのである。毎年この会場の一角に地元野菜を販売するコーナーが出来て、今年もソレはあることには在るのだが白菜が見当たらない。
う〜ん、不作と言うのは本当なのだな。天候不順の結果をマノアタリにして(まさか…)の思いなのであった。この辺りは白菜やキャベツ・レタス・トマト・胡瓜といった高原野菜の栽培が盛んなのであって、ソレだけにコチラで入手してくるヤサイはどれも鮮度が高くお味が全く違うばかりでなく、スーパーで売っている野菜に比べ日持ちがするのである。
仕方がない、白菜は隣の野辺山にでもアシをのばして直売所で購入して帰ろうとベツの食材を見て回った。
ふとメにしたのはスモークミートをグリルして販売しているお店で、なんと三種類全部のせが¥1000というバーゲンプライスである。これは魅力ブリブリであって、さきほど見た家族連れなどが赤ワインのボトル開けてはグラスを傾けているその肴はコレだったのか!と納得出来たのである。
もちろん運転して帰らなければならないのでアルコールは御法度だ、すかさずテイクアウトでお願いして帰宅後のお楽しみにするのである。

チキンレッグに大きなソーセージ、そして分厚くカットされたベーコン… ドレを食しても美味いなんてもんじゃないよ♪というスモークミートなのであった。
ビールはもちろんイケるが、やはりサイコーの相棒は赤ワインだ。このところ逼迫した経済状態打破のためにスペイン製ボックスワインでお茶を濁してはいるものの、安定したお味はヘタな冒険をせずに済むところがいい。なんだかこんな上等なおつまみだとワインのグレードまで上がってしまったような錯覚にはココロ昂ぶるものがあるなぁ。
しばらく行っていなかった八ヶ岳高原・清里の青空を想い出し、心地よい疲れと酔いに包まれてゆく秋の夜なのであった。




☆ このアトはまたまたお久しぶりのメリーマックさんへ… 明日の日記をお楽しみに!
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