ヒロシマ・オイスター・ラボラトリ 2010

今年も届けていただいた広島の牡蛎
昨年は行き当たりバッタリでたっぷりドップリ『かき料理』なんてコトをやって楽しませていただいたが、さて今年はどーしよーかと悩むのであった。
ジタバタしても仕方がないので思いつくままやってみたが、このところあまりコネクリまわした料理よりシンプルな傾向に傾いていて、牡蛎もそんな流れを汲んだ調理で瀬戸内の幸を堪能したのである。

かきの醤油風味ソテー、かきのグラタン、プレーンなスチーム、柚子を添えて生がき… あぁ、ドレも天国なのだな。


そしてハズせないのは昨年神戸のUに教えていただいてトライしてみた“オリーブオイル煮”だ。
作りたての熱々は当然美味い。ガーリックの香りやオイルの芳醇な旨味に牡蛎のエキスが濃縮されて加わるという方程式は牡蛎好きでなくとも魅了してやまない好レシピだと思う。
コレが素晴らしいのはたとえ大量に作って食べきれなくても冷蔵庫で冷やしておいたものを食すとまた別の美味しさが生まれることなのだな。そう、ちょうど缶詰のスモーク・オイスターを食すような感覚であって、ネットリと変化したワタの部分が堪らなく美味い。
ひとつモンダイなのはそのあまりに濃厚で深い味わいのためにヤワな酒では歯が立たない点にある。ワインならしっかり熟成させたフルボディーの赤、もしくは辛口でありながら豊かな芳香を発する白…いずれにしてもボクが平素嗜んでいるような安モノでは役者不足なのである。

失敗したなあ、どーせビールを飲るんだったらエビスを開けるべきだった。
普段飲み用に購入してあったお試し新製品のプルトップをプシュッとやってからそのコトに気がついたが、時既に遅し…まあいいさね、思わぬ幸運にありつけるかもしれないし…とグビリとノドを鳴らした。う〜ん、結局は何でもいーんだけど。
おぉ〜コレはお安いワリになかなかではないか、ちょうど琥珀エビスのような仕上がりにしてあり手軽にコクのある味わいが楽しめる。サントリーがつい最近三種類同時に送り出してきた新製品は京都醸造所の限定仕込み品「余韻の贅沢」と「かほりの贅沢」そしてこの「琥珀の贅沢」という発泡酒ナンチャッテ贅沢三兄弟みたいなヤツなのね。といっても近所のスーパーで1本¥100で販売しているモノであるからキブンだけ贅沢になるのかな〜と思いきや、結構な風味で悪くない。

コレも必須項目、カキフライなくして牡蛎料理を語るべからず…といったところか。前回はタルタルソースをセッセと作ったりしてサーモンやホタテのフライと共に冬の味覚とそのヨロコビを享受したが、昨晩はストレート勝負に出た。
ソコラの牡蛎ではない。粒選りの広島産だ、ヨケーな細工で台無しにしたくないという思いもあった。そして裏切られることなど全くなく、牡蛎が元々持っている塩分だけで充分に美味しい。食べ飽きてきたら少々のウスターソースマスタード、ソレだけで必要以上の満足は得られる。

“かきごはん”も全ての装飾を切り捨て牡蛎だけで作ってみた。
いつもは人参などの野菜を少々加えては彩りを加え青味のトッピングも忘れたことはなかったが、敢えてこうしたものを一度食してみて原点から見つめ直そうと試みた。
ご覧のとおり見たくれはシブい。そっけないと云うのを通り越して物足りなさ・寂しささえ感じるのはムリもないことだと思う。しかし食してみるとそうした危惧は不要だったなあと気付いた。
今までアレコレと苦労してはソレナリな満足感は得られてはいたが、そもそものチカラのあるものに余分なものをブラさげて重たくする必要もないし、研ぎ澄まされた感覚というか集中力が生まれて逆に素材の美味しさが際立ってくる気がする。まあソレもこうした新鮮で質の良い食材だからこそ可能なワザなのかもしれないが。
アレだけ牡蛎を食したアトでもこのゴハンはスッと胃に納まっていった。美味い、ジツに滋味深くそしてシェイプアップされた旨味が鋭く切れ込んでくるカンジだ。考えてもみれば今まで食した牡蛎ゴハンの中でサイコーだと思う北海道・厚岸の「かきめし」(氏家バス待合所製)にはやはりカキ以外にはナニも入っていなかったではないか。優秀な先人はそのことにとっくの徳兵衛で気が付いていたのであった。
そしてどうしてこんな単純なコトが解らなかったのか…とあらためて思うのである。




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今朝の富士山
日の出前はマイナス2℃のラベンダー色



6:46AM, December 27. 2010. @Fujinomiya-City


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小泉・曽比奈谷戸道祖神



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