思ったより正統派『たこやき蕎麦』

だからと云って全てが許されたというワケではなく、コレが蕎麦業界で認知され多くの専門店がニューウェーブとして提供し市民権を得る…などといった展開はないと断言する。あくまでキワモノかと思いきや、といったスタンスでの話だ。

カマボコも切らしていたしパッと使えるような具はナニもなかった。鶏肉はこの日の夕食に使う予定だったし天ぷらなんてメンドすぎてパスパス、仕方がないので数個残っていた冷凍たこやきを電子レンジで加熱してエイヤなのであった。もう破れかぶれなのである。
ただし冷凍たこやきにはソースなどかかっていないのでタコ入り小麦粉練り製品テキ色合いが強く、ちょうどさつま揚げとナルトとタコ天を無理ヤリ合体させたみたいなカタチなのでそうそう悪くなりようもなかった…というのが大きな失敗につながらなかった原因かもしれない。
   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
無理ヤリ合体などと云うとナニかヘンな想像をするお方もおられるようだが、ボクがスグに思い出したのは京都・清水寺にある公衆トイレのことだ。う〜む食事のハナシをしているのになんだかねえちょっとぉ〜みたいなカンジがするものの、テレビで先日観た旅番組の内容で強く印象に残っているので書かずにはいられないのよ。
何せ「完全自動トイレ」と設置者が自負するものすごい設備がそこにあったのだ。当然無料ではなく“入場”するためには百円コインが必要だ。自販機のようにソレをスリットに投入しボタンを押すと女性の声のアナウンスと共に扉が開き、晴れて使用者はその目的を達成するコトが出来る。ただし利用可能時間は10分間に設定されていて立てこもりは不可だ。
トイレは三畳間もあるような大きな造り(あくまでテレビ画面から受けるイメージ)で、ドレッサーや洗面台もあってちょっとしたホテルのドレッシングルームを凌ぐ大きさだ。そこに便座だけで三種のスタイルのものが並んでいた(気がする)。ハンディキャップのある方でも使えるような配慮がなされているのはサスガ国際観光都市である。
利用者個人の随意で大小の用を済ませると便座はターレットのように水平回転収納され洗浄殺菌乾燥される、というシステムになっていて頗る衛生面での安心感を演出しているが使用する設備が清潔になるだけで、肝心な人間サマの前後中央の局部を洗ったり拭いたり殺菌乾燥してくれるワケではない。
そしてサイコーに笑えたのは時間が来ると、つまり10分間の制限時間になるとアナウンスが流れ扉がこれまた自動で開かれる、というある意味恐ろしくスキャンダラスなシカケになっているのだな。用足しが10分では済まず途中になっているヒトはどーするのだろう。いや、便器に着座状態ならまだしも中腰で立ちあがり尻を拭いているところに扉が開いてしまうのはカンベンしてもらいたい。
「すみませ〜ん、ちょっと待って下さい!」と叫び慌ててパンツを上げセカセカと手を洗ったり身だしなみを整えて「すみません、すみません、すみません…」などと小声で言いつつ(も〜なにやってんのよ、このノロマ!)みたいな怒り顔のババアにペコペコしながらその場を後ずさりしてフェイドアウトする…なんて考えたくないなあ。
しかもそのトイレ部屋は使用後に床全面が自動傾斜して殺菌洗浄液が床に流れ、全てが清潔な状態に再生されるんです!と京都市の職員が自慢げに説明していたが、ソレって近年叫ばれてるエコロジーに著しく反していないのだろうか。京都の市税あるいは観光客が落としていった税金がこんなモノに使われ半分お遊びテキ自己マンと引き換えに消えていっているのである。怒らなくてもいいのか京都市民よ、観光客よ!
と、またとんでもない大脱線をしてしまった。でもソレに比べたら気まぐれで作って食した『たこやき蕎麦』なんて罪がないよね。





☆クリックで応援をお願いします。「ブロぐるめ!」ランキングに参加しておりまして…





Sora



Afternoon, February 25. 2011.