長崎からやってきた『あごだしうどん』

「あご」とはトビウオの幼魚で、コレを素焼きにした後、干して加工したものをダシに使う。暖海性の魚種のため関東では伊豆諸島付近で成魚が漁獲されクサヤなどに加工さてはいるものの、あまり食卓にのぼる機会は少なく主に関西で流通している。

脂肪分が1%と特に少ないので加工保存した際に酸化脂肪の発生が少ない上、20%以上も含まれる豊富なタンパク質は焼干しすることによってアミノ酸に分解されて旨味が増す…と云うまさに「ダシに使ってくれ!」と言わんばかりの伝統食材だ。
関東ではイワシ・サバ節がダシの主流だがソレとはまた違ったお味の傾向でまた美味しい。瀬戸内あたりではイリコ(イワシの煮干し)がうどんダシのメインで優しいお味が讃岐うどんに欠かせないものであるのに対し、長崎〜五島列島あたりではもうちょっと濃厚なあごダシを用いてメリハリのある仕上がりが好まれるようだ。
近年では魚介ダシ系ラーメンが流行していて関東のラーメン屋さんでも動物性脂肪の強い香りに負けないダシにするため従来のイワシ煮干しに加え「あご」を採用するところも多くなったようだ。
そんな「あご」を使ったうどんをテに入れた。きっとナニも入れなくても…とはいえネギくらいは必要だろうが…美味しいだろうとは思ったが、いちおーパッケージのフォトに倣ってワカメとカマボコを添えて食してみたのよ。

讃岐うどんのように太くゴツゴツした麺ではなく比較テキ細めのツルッとした麺は見た目が稲庭うどんに近い。しかし食してみると意外にコシが強くて太さ以外は讃岐に近いモノを感じる。
まあ麺を云々するよりやはりコレはダシ汁の美味しさに尽きるものだろう、ちょっとした印象はあっさりサッパリしているがジツはかなり濃厚な旨味が次第にクチに拡がる。そうかといってベタベタまとわりつくような類ではなく、あごのダシを基本に塩と淡口醤油でシメてある…といった感じだろうか、コレは美味い。長崎の正月料理に欠かせないモノとしてあるのが解る気がする。
静岡でも時折トビウオが刺身として店頭に並ぶこともあるが、鮮度落ちの早い魚のようでかなり運がよくないとコレにありつくことは出来ない。西日本でもソレは同様で漁獲されたものは主に加工品に回され「あごチクワ」や「あご天(またはトビ揚)」(すり身を油で揚げたもの)が多くの家庭の食卓を賑わせていると云う。あ〜食べてみたいな…




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今朝の富士山
先週カラ振りした「狩宿の下馬桜」へ朝駆けリベンジ



5:56AM, April 20. 2011. @Kariyado, Fujinomiya-City






狩宿の下馬桜
1193年に行われた“富士の巻狩り”の際に源頼朝が馬から降りてサボッていた…違う!一服した場所といわれる狩宿の本陣跡には国内最古のヤマザクラ(樹齢は800年以上)があり、昭和27年3月に国の特別天然記念物に指定されている。
先週行ったときには全く開花していなかったが、ここ数日の暖かさで急激に満開になったようだ。



5:53AM, April 20. 2011.