アブラスパイラル…か 『ベーコンとホウレン草のパスタ』

ベトコンラーメン、油そば、焼鳥、豚バラ焼肉丼…見事なアブラスパイラル。奈落の底でもがき苦しむエロおやぢの錯乱した脳ミソはスーパーで見つけてしまった大きなベーコンブロックをつい購入してしまうのだな。
ココまでくるともう地獄である…などとウソをついてはいけない。ジツに快楽の園にハマハマ、やっぱりヤレるオトコはニクだよニクニク!と強がってはみたものの、そろそろお終いにしなければ天罰が下るというものだ。

アブラの地獄といえば「女殺油地獄」、江戸時代に近松門左衛門が戯作した人形浄瑠璃の人気作である。先ずはタイトルからしてオドロオドロしいではないか、梅図かずおや水木しげるもビビるダイレクトなアタックだ。
なにせ油の地獄で女を殺すのである、ジツに忌わしく邪悪な犯罪としか言いようがない。煮えたぎる油の入った桶に亀甲縛りにして吊り下げたハダカのオンナをじわりじわりと降ろしてゆく、というシチュエイションがスグに思い浮かんでくる。
最初すすり泣いていたオンナは次第に断末魔の叫び声に変わり、そして間もなく失神してしまう。だが縄を握る河内屋与兵衛は薄ら笑いを浮かべてはその縄を引き上げ、オンナに竹刀を打ちつけては現実に引き戻す。そして再び油地獄にジワリと落とすという鬼畜行為にオンナの意識は朦朧となりついには失禁…高温の油に落ちた大量の女潮がジャジャ〜ッ!ともの凄い音をたてて弾け飛び、油滴の混じった水蒸気を爆発テキに発生させる。
「ひい〜っ♪」
恐怖と歓喜がカオスとなった叫び声をあげる与兵衛の狂喜…

とカッテな想像をしていたがこんなSMちっくな物語などではなく、よくある色恋人情沙汰の世話物なのであった。まあカンタンに言うと番頭あがりの主人が経営する油屋には遊郭に入り浸っては借金を重ねる義理の放蕩息子がいて、そいつがオンナに無心を断られ逆ギレ殺害せんとするシーンは倒れた油壺によって両者油まみれの地獄絵図…というのが浄瑠璃や歌舞伎のハイライトなのである。
己の煩悩に溺れヨクボーの限りを尽くすという点に於いては、本来健康な生活に勤しむべき人生後半のこの期に及んで「アブラスパイラル」などとお気楽な言い回しで逃げているエロおやぢと近似値は高く、大いにハンセーしなければならない。
そんなワケで多少なりとも栄養バランスを整えようと農民市場で購入してきた地元産ホウレン草と共にパスタの具として食すベーコンなのである。もちろんこんな大きなモノを一気に食べ尽くせるハズもなく、全体を3等分して2つは真空パック冷凍してしまった。相棒はこれからが旬となるアスパラやブロッコリもいいだろうし、パスタだけでなくグラタンというテもあって楽しみは無限だ。
旨味と香りが凝縮されたベーコンという食材は“I am Legend”というハリウッド映画の中で主演のウィル・スミスが他人に勝手に喰われてしまった冷蔵庫のナカミの中で一番大切なものだったようで
「とっておきのベーコンだった…」
といって泣き「しばらく一人にしておいてくれないか」とショックを隠せないシーンがあるくらいヒトを虜にする食材なのである。エッジの立ったスモークの香り、焦げた油の誘惑、噛みしめる食感、ネッタリとクチに拡がる旨味…ドレをとっても脳細胞を覚醒する要素が揃い過ぎている。
アブラ地獄などと云うモノを忘れさせるドラッグか…




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5:12AM, May 14. 2011. @Fujinomiya-City