お茶を使いもしないのに茶漬ってインチキだよな… いや難しいハナシは知らぬフリをして、とにかく汁をぶっかけてザバザバ喰うのが茶漬ってもんさ、ってことですか。いつもねえ、テレビのグルメ番組なんかで
「え〜っと最後にですね、よっこらしょ、こうしてですね、ダシ汁を茶碗に注いで… あ…タイの切身がチリチリっと縮んできました！ さて、早速頂きます… （ザバザバ…） ん〜♪ いや〜サイッコーですねえ！ そうなんです、こちらの海鮮丼は三度楽しめるんですよお、最初は獲れたて新鮮なお刺身として、次は宝石箱のようなドンブリをがっつりと、シメはやっぱりこのお茶漬でキマリなんですよねえ ナカオさん如何ですか？ ですよね〜♪」
よく喋るオンナだ。黙って喰え。それにナンだよ、その箸のみっともない持ち方は…親の顔を見たいもんだぜ。こんなバカタレントをきちんと指導も出来ないプロデューサーもクビだな。ちゃんと箸の持ち方を練習させてから録れよ。出来ないなら使うな。
だいいちソレは茶漬とは言わないだろ〜。茶漬ってーのはな、お茶をかけるから茶漬なんであってさ、ダシ汁使うのはベツの料理だぜ。京都あたりでよくやってる“ほうじ茶”をかけるアレもダメだな。 お茶ってのは“緑茶”のことであってさ、ちいっとゼイタクだけど八十八夜の新茶を炊きたてゴハンにダ〜ッとかけてザバザバあっちっちみたいに喰うのが茶漬ってもんよ！
どーでもいいテレビの前で吠えまくっているエロおやぢである。
と脱線話は放っといて『トンチミ茶漬』である。トンチミとは水キムチのことだから緑茶なんて使ってないじゃん…矛盾を抱えたまま横車をゴリ押ししてこの話を進めるのだ。
先日「ようやく今シーズンお初の冷麺」を食した折にそのスープを捨てずに大切にとっておいたのよ、どうだいズルいだろ。
でキムチもナムルもなーんにもないから、古漬になったヌカミソ胡瓜・茄子や生姜を刻んで冷やゴハンにトッピングし、そのスープをだ〜っとかけてザザッと喰うのだな。ホントはトンチミは塩味みたいな漬け汁だからやや白濁した透明スープなのであるが、冷麺に入れたキムチのヤンニョムが溶け出て真っ赤になってしまっているのはご愛嬌だ。
とにかく美味い。冷たくさっぱりとしていて、やみくもに喰いたくなる。しかし残念なことにオカワリの分まではなかった。
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