ちいとばかしケチだった『ハムステーキ』

お中元やお歳暮の時期になるとテレビでよく流れるリッチなハムのCM、たいていはきれーなおねーさんが届けてくれる紫色の風呂敷に包まれたギフト用セットなのであって、ハラリと開いたソレから現れるボンレスハムやロースハムが後光を放ち輝く姿に有難いカンドーもひとしお…というストォリイなのだな。

受け取ったイケメン中年はソレをワイルドに厚切りしてはジャジャーッと脂を飛び散らして鉄板で焼き、美味そうにがっつり喰うのである。彼がふと中空を見あげるとそこには件の美しい女性の微笑み、そして「大切なあのヒトにあげてよかった…」などとつぶやいているのだな。
ちくしょ〜!オマエらはいったいどーゆーカンケーなんだよ。おい中年オトコ、オマエの奥さんはどーしたんだい。まさかそのオンナはアレ(立てられた小指)じゃないだろうねえ… 疑われるのがイヤだったら女房にも喰わせてやるのがスジってもんじゃないのかね。
いや、世の中はいろいろだからなあ…もしかしたらオンナの亭主は不慮の事故で命を落としてしまい、中年オトコはそのかつての上司であってオンナのその後を嗅げながら…う〜む、いったいなんてスケベな誤変換なのだろう…影ながら支えてきた、というシナリオだって成り立つではないか。そうさオトコの女房だってゴルフスクールのセンセと一緒にたまたま某温泉へ失楽園旅行なんぞをしているときだったかも知れない。そう考えると、いくら下心があったとはいえ哀れなオトコでもあるのだな。
下司な妄想はいーかげんにして肝心なハムステーキに話を戻そう。コレは宅配食材のカタログを眺めていて見つけたもので、ちょうどバラ肉叉焼のように三枚肉をグルリと巻いては整形したハムなのである。カタログには「ハムステーキでどうぞ」みたいなキャッチが添えられていて、否応なしにヨダレが流れる仕組みになっていた。おぉ〜いいねえ♪ お値段も高くはないし、コイツでビールかな、うふふ…と注文してしまった。
けっこーな厚みもあるしギフトCMのようなシーンを想像してニマニマと楽しみにしていたのだが、届いた実物を見て少々の落胆を禁じ得なかった。そう何と云っても厚みが足りないのである、8〜9mmといったところか。最低でも1.8cmは欲しかったなあ。仕方がない、とにかく焼いてそのお味を堪能しようではないか。
製造元は国内の一流メーカーである、もちろん薫り高くジュウシイかつウマウマである。しかし厚みのなさは決定テキに満足度を下げてしまい残念至極なのだな、こんなことならもうひとつ余分に注文しておけばよかった…と後悔する、ちいとばかしケチだったエロおやぢの晩酌なのである。



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