神戸サミット2011 ぷらぷら神戸元町はいい匂い…

もう何度も神戸にはアシを運んでいるのに“神戸元町”には縁がなかった。異人館と並んで神戸の本丸と言ってもよいくらいであって、気を利かせてくれた友人がその機会を与えてくれたのだ。

夕食はJR元町駅にほど近い焼鳥屋さんということなので予約時刻までの時間調整を兼ねてぷらぷらと歩いてみる。第一印象はかわいーねーちゃんが多いと云うことだ。うそよね、そーじゃなくってクルマから降りたとたん鼻孔をくすぐるいい匂いなのである。
明治時代初期にその原型が出来上がった商店街は関西の代表テキ港町としてやはりハイカラなのである。横浜の元町にはしょっちゅう行っていたが、そのフンイキがかなり違っているように感ずるのはアーケード街の形式になっているからなのだろうか。飲食店、雑貨、衣料品、食料品…といった専門店そして中華街に連なる雑踏にお洒落な空気が流れるのは横浜と似ているが、どこかひとつスジのような強さがあるのはこうしたモニュメントひとつとっても歴史の重さを大切にしている証拠だと思う。

きらびやかなアーケードにはメインの照明としてよりも神戸元町のシンボルとして「スズラン灯」が据えられている姿にヨソモノはフシギな感動を覚えるのであった。
そんな元町商店街のなかにも、なかなかにユーモアがあるというか冗談のような…つまり喰い物屋なのにフザケてないかい?みたいな…ナマエの定食屋さんがあったりして哀愁のイナカ町に住むエロおやぢは必要以上にキョロキョロしてしまうのである。

それにしても行き来するねーちゃんたちのキレイなこと…通りの半ばほどにオープンエアの小さな喫食スペースがあって、暑くも寒くもないこの季節ならちょっと腰かけてテイクアウトの軽食とビールで乾杯だな、ねーちゃんとさ…などという妄想が爆発テキに拡張してゆく。
どの町に行ってもそれは同様のことなのだが、やはり最低でも一週間くらい滞在してこうした時間や空気を吸引しないと本当の旅ではないような気がする。ちょろっと来てはチャラチャラと過ごすヒトにそうした幸福は与えられないのだな。

そして商店街には「どうぞこのお金で買い物をして行って下さい」と持ち帰り自由の現金が山積みされている… ってウソに決まってるでしょ。これは“百万円メモパッド”なのね、最初見た時についハッとしてしまったのはボンビーの悲しさか。しかしリアルすぎますねえ、大きさもほぼモノホンだし。
最近のスキャナ機器は本物の札ばかりでなくこうした金銭模造品もコピー出来ないようなプログラムが組まれていてエラーしてしまうのよ。いかん、脱線だ。


神戸元町商店街
http://www.kobe-motomachi.or.jp/


   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


さて、さらにぷらぷらと歩き進むとなにやらバターのいい香りがしてくるではないか。おぉ〜ココはあの“本高砂屋”さんの神戸元町本店ではないか。静岡は松坂屋さんの地下にあるけど、やっぱり本店はリッパで大きいにゃ〜♪と中を少し覗いてみることにした。

入口に“金土日祝日限定・きんつばANフィーユ”というポスターが貼ってあり、なんだか有難いカンジのシャレた洋菓子に気がついた。う〜む、美味そうではないか。
限定品はパイにカスタードクリームときんつば餡をサンドしたもの、そしてこの時期のメインはクリーム&きんつば餡&マロングラッセをパイに挟んだもののようだ。いや〜ん喰いたい喰いたい。
でもなあ、これから飲みに行くのにココで喰うのもナニだし、どーせ飲んだアトは甘いものなんてメもくれないのは判りきっている。購入して静岡に持ち帰ってから食べようか…とお店のヒトに訊いてみれば、なんと「賞味期限は本日のみ!」というヤらしいくらいにレアな菓子なのであった。
一旦は諦めたものの、よ〜く考えたらどーしても食べたくなってエイヤで注文してしまった。二種の組み合わせにも快く応じて頂いた。

既に出来上がったものを詰め合わせてくれるのかとボクは思っていたが、なんとこのお店のマイスターパティシエ殿が登場して目の前で作り始めたのである。このヴィジュアルだけでも有難いではないか。
そうか、賞味期限が短いのはそーゆーコトだったのね! クリーム類が生というのもあるが、サクサクのパイがその食感を失わないうちに召し上がっていただきたい…という料理人の切なる希望がそうしたシバリを作っているのであった。
ソレにしても作りたての菓子をこうして食せるのは本当にシアワセである。ええ、本来ならばこの日のうちに彼のアイデアとテクニックを堪能すべきであるとは解っていたが、ちょっとウラ技を使って後日食したのである。マイスターさん、ごめんなさい。
しかしそのお味は例えようもなくリッチなものだった。考えてもみれば『きんつばANフィーユ』なんてとんでもないネーミングなのであってそこからどんなものが飛び出してくるのか不安に思えなくもなかったが、サスガに本高砂屋さんである、和洋合体プロジェクトは見事なものであった。
あぁ、もっと食べたかったなあ。来年もこの商品はまだあるかな…


株式会社 本高砂屋 神戸元町本店
http://www.hontaka.jp/
兵庫県神戸市中央区元町通3丁目2-11
TEL=078-331-7367
ACT=10:00-19:00 元旦のみ休業




そんなこんなで程良い時間になってきた。焼鳥屋さんを目指して歩く元町駅近くの交差点に、なにやら黒山のひとだかりというか行列があった。

並んで待つのが大キライなエロおやぢはソレを見ただけで何であるかを追求せずにパスしようとするのだが、同行のおチ〜バのマダ〜ムは「昨年もココでこれをメにしたんだけど時間切れで食べられなかったのよ」と如何にも食べたそうなクチ振りでボクに熱く語るのであった。
訊けばソレはちょっと有名な肉屋さんなのであって神戸牛のスジをフィーチャーしたコロッケが美味い美味い美味いと大評判のお店なのだそうな。
う〜むココまで来ていてそれをパスするなんて許せないではないか、そうか並ぶのはアナタならオッケーなのよね…とイヤなシゴトはマダ〜ムに押し付け、ヒト任せをキメ込む無責任エロおやぢなのであった。
待つ間に周囲を見ていると、やはり観光客っぽいのがたくさんいて、皆一様に購入即路上でガブリというスタイルだった。でもやっぱり都会だよな、みんな楚々とした買い方で、意外に勝負は早くついてゆくのである。

哀愁のイナカ町ではヘンなババアが一人で何十個も買ったりするもんだから、お店の方もソレナリな時間がかかり、列の後ろの方になると売り切れちゃいましたみたいな憂き目もみることだってあるのよ。いったいあのババアはそんなに買ってどーすんだい、オマエは毎食コロッケを一週間ぐらい続けるのかよ〜みたいにハラがたって来るのだな。いけない、また脱線だ。
運の良いことに我々の直前で揚げ置きしてあったコロッケは売り切れ、ちょうど揚げたてのアツアツが提供されたのであった。お〜っし、ガブリといこーではないか。
やはり揚げたては美味い! ハッキリ言って「コロちゃんコロッケ」みたいな安モノであっても揚げたてなら相当に美味いのである。それが甘いジャガイモと神戸牛スジによって彩られているのだ、もう説明もナニも必要ないでしょ…ってなもんだい。だいいち一個が80円だしね。
ハフハフうまうま〜とほおばる我々をコキントさんの優しい眼差しが見守る神戸元町の交差点なのであった。


本神戸肉 森谷商店
http://www.moriya-kobe.co.jp/
兵庫県神戸市中央区元町通1丁目7番2号
TEL=078-391-4129 FAX=078-391-4385
ACT=10:00-20:00 第三水曜定休



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