ひとヒネリの定番『ねぎ玉酸辣湯麺』

初めて酸辣湯麺を食した時はちょっとカルチャーショックのようなものを覚えた。それまでは辛いスープの経験はあったもののそこに酸味が加わったものなどはニッポンの料理にはなく、従来の価値観には存在しなかったからだ。世界中の様々な料理がイッキになだれ込んできて庶民もその恩恵に与ることのできるようになったバブル期ちょっと前のハナシである。
ひとクチ啜って感動した。いまでこそ“辛酸っぱい”お味はエスニック料理の定番としてすっかり慣れ親しんだものになったが、その時のなんだか永遠に食べ続けたくなるような心地よさがココロを虜にしていった。

さてその酸辣湯麺はたいてい椎茸・筍・人参・木耳といった野菜類に少々の海鮮あるいは豚肉などを加えて「かき玉」状にした餡で仕上げるものが多い。ソレはソレで大層美味しいものであるが、家庭でそうした諸食材を揃えるのはなかなかにタイヘンなのである。
そこで手ヌキ酸辣湯麺を画策するわけなのであって、ネギと豚バラ肉をタマゴで半熟とじにして酸っぱ辛いラーメンに被せてやろうという寸法だ。これはまんまと上手くいった。使う食材もシンプルだし道具も手鍋と小さなフライパンがひとつあればオッケーというのがズボラなエロおやぢにはラブなのである。そしてとびっきり美味い。


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