モロッコインゲンを添えた『鮭と帆立のフライ』

たとえ貧困な生活に於ける日々のお惣菜であっても“季節感”とか“旬”というものを盛り込みたいではないか。しかし三度三度そうした思いを食卓に追求するのは極めて難しいハナシなのであって、あぁ誰かボクのお家の厨房を雑誌かなにかのテストキッチンに指名してくれないかなあ…などと都合のよい夢のようなことばかり考えている最近である。

食材だって雑誌の編集部が経費で落としてくれるだろう、全国各地の海山から旬の珍味が毎日次々と送られてきて…な〜んて有り得ないよな、おバカな妄想に耽るのはもうヤメにして現実をしっかり見つめ地に足のついた生活をしなければ明るい明日はない!と言いつつ、いつものスーパーや農民市場に走るだけと云うのは少し寂しいですねぇ、せめて地方都市であってもデパ地下ならば豊かな品ぞろえで迎えてくれるのだろうが、哀愁のイナカ町ではキボーの灯火も消えかからんと…
おい、ちょっと待てよ、農民市場にはこんなオモロい食材だってあるではないか…だからオモロッコインゲンって言うんだよ!って違うなあ、一昨年このインゲンについて『モロッコインゲンとホッケの干物』という記述を少しばかりしてあるのでご覧になっていただいて、ボクはそれを再び調理して楽しむのである。

今回は大きさの比較をキチンと出来るようにフツーサイズのインゲンも一緒に購入してくるなんてまったく御苦労様なことであるが、まじまじと比べてみると同じ種類の植物で親戚筋に当るとは思えないし、カサカサしていて硬そうな外観からは喰いたくなるようなフェロモンも発散してこないので知らなければテを出すことはないだろう。
まじまじと…というコトバで思い出したのは、先日出向いたシゴト先で19かハタチくらいの若者が上司の話の合間に「マジっすか、マジっすか」を連発していたことだった。なにかひとこと上司が喋るたびに「マジっすか」、しまいには「ムァジっすか〜」などとふてぶてしい変化を遂げてゆくのはソレを聞いていたボクは不快を通り越して可笑しくて仕方がなくなってしまったのよ。
いや〜きっと彼は「へぇ〜そうなんですか」みたいなカンジの合いの手コトバとして無意識に発しているのだろうが、脳ミソが硬化しつつある世代としてはあまり心地よくない言語であって、ホカに同類のコトバとして「ホントですか」を連発するオンナも激増していてボクはそんな受け答えをされると(キサマは当方をバカににしているのか、まるでボクが絵空事ばかりを喋ってるみたいじゃん)などと逆上憤慨してその場を立ち去りたくなる…いけない、脱線だ…元へ。
そう、このモロッコインゲンというやつは茹でるとしなやかに、そして色鮮やかになって生時代がウソのようである。デビュー前のイナカ臭くて眠たげな顔つきだったねーちゃんがそれこそ「マジっすか」みたいにエロいいオンナになってステージでスポットライトを浴びている姿にも似ているのだな。
そして喰ってもジツに美味い。香りもいいし甘みもある。なによりキュッキュッと鳴るような歯ごたえがキモチいーのだ。あぁいろいろ喰ってみたいなあ、きっとあのねーちゃんもオイシイんだろうなあ…いや〜ん、また脱線じゃないですか。
鮭のフライも帆立のフライも美味かったぜ、秋も深まり間もなく冬というこの時期にドチラも美味しさのピークを迎える。一年中あるものなのだけれどもやはり“旬”というやつか。すっかりモロッコインゲンに話題を浚われてしまったけれど、リッパにこの日の食卓の主役を務めあげてくれたのね、ありがとう。




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ケロマットを洗って干しました





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Rutarou 北の写真館 】 美瑛のカラマツ  November 10. 2011




降雪はちょっと遅れちゃったみたいですね
モノクロームへと移行してゆく黄金色を今のうちに
って、今朝のニュースでいよいよ都市部にも初雪…と云う映像が


美瑛のカラマツ_RUT_20111109-2T