イノダコーヒとマロングラッセ

其の昔、文豪と呼ばれる何人かの作家に共通した項目があることに気がついた。京都にある「イノダコーヒ」というお店でコーヒーを楽しんでは散歩をしたり文筆活動のテを休めソコでひと息入れる…といった嗜好だ。

だからと言って「そうだ、京都に行こう!」と短絡テキ発想などはなく、然るべきチャンスを待つしかないのであった。だいいち京都でイノダコーヒのコーヒーを飲んだからと云って文豪になれる保証はないわけだし、仮にソレが文豪への導入剤であったとしても年に数度ほど行って服用する程度では効果がなくても文句は言えないのだな。
やはり京都と云う土地の風俗習慣や文化がそこに住むヒトを育み、清く美しく正しき日本語を生み出してゆくのだろう、きっとイノダコーヒさんはそのオーガナイザとして機能していたに違いない。ああ、でもいいなあ。
てなコトで若かりし頃はやはりガマンが足りずに京都に行ってしまった。モクテキは別のことであったが当然イノダコーヒさんは予定に組み込まれ、その想いを遂げることが出来たのであった。
文人たちの文章からそのお店のコーヒーは黙って注文すればミルクと砂糖が予め入れられた状態でテーブルに運ばれてくることは事前に知っていたのでさほど驚きはしなかったが、ミディアムサイズのカップにたっぷり入れられたミルクコーヒーは香りと甘み苦味のバランスが絶妙で、多くの人々を魅了してきたそのプロフェッショナルな流儀に(なるほど!)と感心したものである。

いろいろな意味で若き血潮が滾っていたそのころのキモチはすっかり忘却の彼方であったが、ふとしたことでそのイノダコーヒさんのコーヒー豆をテにする機会に恵まれた。あぁそう言えばそんな時代もあったよね…自分は作家になろうとは思っていなかったけれども、いっぱしの文章力だけは身につけたくて片っ端から日本の作家の作品を読み漁っていたっけ…などとこのペーパードリップ用に挽かれたコーヒー豆のパックを眺めながら自分カッテで向こう見ずだった青春時代を回想してみたりもするのであった。
え〜い、そんなことより明日のメシはどーするんだい?ってな具合にムリヤリ現実に引き戻してコーヒーを淹れるのよ、これでビョーキでなかったら酒の心配もしなくちゃならないではないか。ワインやビールは以前のクセで珍しいものを見つけると債務超過を恐れずついスグに購入してしまうクセが抜けなくて、飲めもしないのに買って帰っては溜まる一方のバカヤローなのだな。オカゲで酒庫にはたっぷりワインが貯蔵され、禁酒が明ければウハウハ酒池肉林よ♪って脱線だ、元へ。
せっかくイノダコーヒさんのものだから懐かしのミルクコーヒーにしても良かったのだが、パックにはそうしろとは書かれておらずどうもレギュラー仕立てのようだ。先に南米コロンビア・エメラルドのほうをストレートに試してみる。おぉ、キモ〜チ深い炒りにしてあって、ミルク仕様との両刀使いも可かな…という感じである。ブレンドしていないコーヒーをいただくのは久しぶり、良質の豆ならコレも楽しい。
午後のおやつはこのコーヒーに合わせてなにか美味いものでもないものかと冷蔵庫を探れば、なんだか出てきてしまったのよ。あれまあ、コレって千疋屋さんのマロングラッセじゃないの…すっかり熟成しちゃってるでしょうね…と、かなり前にコレを贈って下さったマダ〜ムに感謝しつつリッチなティータイムを過ごすのであった。
   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
今日から師走ですね… 北海道と東北は大雪。静岡も冷たい雨の降る朝を迎えております。


イノダコーヒ(株式会社イノダコーヒ
http://www.inoda-coffee.co.jp/




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Sora



6:34AM, November 30. 2011.











元ルーさん
話のタネに一度は行ってみましょうよ、忘れずに…(^з^)-☆
おはようございます! いや〜ボクも同じですよ、アチコチで見聞きしたお店など「お〜っし!次にアソコ近くに行ったら立ち寄ってみよう…」などと固い決心をしていても、いざその時になるとすっかり忘れてましてねえ(´▽`*)アハハ
母君の評価は「ちょっと甘いのよね…」ですが、まあそれも一興で(笑)



Lotさま
おはようございます! いずこの「藪」かは知りませぬが、看板より職人のウデですか(笑)
イノダコーヒはいつの間にかアチコチに出店してるのですね〜、ボクも知りませんでした。札幌にまであるなんて口惜しいなあ、ボクなんかわざわざ京都まで行ったのに(´▽`*)アハハ
あ…静岡市呉服町の「藪」は蕎麦好きのベンチマークみたいな存在ですけどね。
   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
多分、静岡市の「藪」はその本家「藪」御三家とは似ても似つかぬお味だと思います(´▽`*)アハハ