『焼葱』の大殿様…下仁田ねぎ

鍋の季節になれば一度は必ずその名が登場する“下仁田ねぎ”、近年は比較的ドコでも入手できるようになったのでそう珍しいものではないが、それでも購入するときはちょっと構えてみてしまったりもして、フツーの葱にはないオーラを発しているのだな。

江戸時代には将軍様に仕える大名や旗本が上州産のこのネギを特に好み、カネに糸目をつけずにオーダーしたということから“殿様ネギ”の別名を持っているくらいである。
では知人からこのネギを献上されたエロおやぢは殿様なのかというとビミョ〜なのであって、群馬の農家に知りあいを持つ知人は確かに殿様と言ってよいかも知れないが、そのまた御裾分けに至っては判断が難しい。しかし包んであった新聞紙を開きそのズ太い下仁田ねぎを握ってみたりすると名刀を鑑賞する殿様キブンになったりもするのである。
さて料理だ。残念なことについ少し前に鱈と豆腐と根深ネギだけの“たらちり”をやってしまったばかりで鍋料理は即却下、それよりテレビのグルメ番組で観た黒コゲになるくらいまで焼いて中の部分だけを食す『焼葱』が脳裏から離れずにあったのでそいつにチャレンジなのである。

下仁田ねぎは一般の根深ネギに比べてタンパク質やビタミンB・Cなどが豊富で、しかも煮たり焼いたりといった加熱処理でも短時間で柔らかになって香りや甘みが増す…という特性を持っている。なるほど、江戸時代の殿様たちが夢中になったのも頷けるハナシだ。
お外で焚火や炭火など熾すことが出来ればテレビ番組のようにダイナミックな焼葱…黒く焼けた外皮をビャ〜ッと剥き捨て、アチチと中心部にかじりつくお楽しみもあるだろうが、家庭ではねえ…ってことで、まあごく標準テキにガスコンロで葱を焼くことにした。
串に刺したりせず下仁田ねぎらしさを残そうと白い部分は長いまま焼き、アトでカットして皿にのせた。瀬戸内の藻塩をパラリとやってみたり、新潟のかんずりをつけて食してみたが何れも極上の美味さだ。甘くそして微かな刺激を伴った熱く滾る風味が筒の中からトロリと飛び出して来て、ヤケドのことなどにビクビクしていてはこの愉悦に浸れないではないかと慌てて食したくなる欲望がバクハツする。そしてジャキジャキとその外側の繊維質を噛んでいる間はその余韻がクチの中に充満していつまでも満足感が持続するのである。
葉先の青い部分も各種の栄養とムチン質がたっぷり含まれているのでユメユメ捨てるなどしてはならない。今回はサッと湯通ししてイカゲソと合わせた『ねぎぬた』にしてみた。あ〜こんな美味しい肴があるんだもんね、どっぷりと酒にも溺れてみたいものだが、なかなか都合よくはゆかないものだ。もう少しのガマンなのよ、いい子だからね、ボクがんばるもんね。しかしまるで利き酒のように猪口一杯の日本酒ではストレスは逆に増大するばかりなのであった。




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今朝の富士山
強い西風が冠雪を消し去ってゆきます



7:03AM, December 16. 2011. @Fujinomiya-City










かぶちゃん
ごめん、ボクはMAC使ってないけどモテてるよ〜(´▽`*)アハハ
こんばんわ! そうそう、昔は高かったよね。今は群馬の下仁田だけじゃなくて同じ品種をアチコチで栽培するようになったからねえ…オカゲで手軽に味わえるようになりました。
でもこのネギの良さはなんといっても鍋かな、ダシ汁に香りと甘みと旨味が乗って来るからね!富士宮の地元産もあるから年末のスキヤキはコレにしてもいいにゃ〜♪



ムー吉殿
こんばんわ! 関西文化圏の福井には流通してないのかな〜残念(´Å`)
今日さきほど農民市場に行ったら地元産の下仁田ねぎ(なんかこの言い回しもヘンだけどさ)が売ってました。それとミョ〜な交配柑橘が売ってましてね、コレは面白いので近日中に記事にしますよ。
領収証をお願いするとナマエも聞かずに「上様」って書いたものをよこすヤツがいるよね、アレってなんかむしょーにハラがたつなあ(笑)



とがしさま
そうか!なにも炎でなくてもよいわけですよね(^з^)-☆
おはようございます! ダメだなあ、すっかり脳ミソにフレキシビリティーがなくなってしまって…若いもんにゃ負けたくないけどノ(´д`*)
下仁田でなくとも太めのリッパな深谷ネギあたりでもよさそうですよね、ポン酢もいただきものや自家製がたっぷりあるし♪ アトは酒だにゃ〜(笑)