『ベーコンとブロッコリのパスタ』はアッラッビアータソースで

正確に記述するとアラビアータではなく「アッラッビアータ」なのである。「ッ」が二つ省略されていて、コレが長い間の誤解を生む結果となったのでは…とボクは考えるのよ。

てっきり“アラビア人風の”という意味だと思っていたのにとんでもねー間違いなのであった。イタリア語でアッラッビアータとは“怒り”とか“おこりんぼ”を指すもので、アラビア人はとんだヌレ衣を着せられたことになる。
フツーのトマトソースではなく唐辛子を利かせて激しい辛さにしたものをアッラッビアータ・ソースと呼び、辛くてしかめっ面をする様子からそうした名称を与えられたのだと聞く。
イタリア料理はそうしたナマエが多く例えばプッタネスカ(=娼婦風)とかディアブロ(=悪魔風)といったカンジにけっこー過激なネーミングを平気でつけてしまうところが国民性なのか。コドモにどーやって説明するんだろうねぇ…ってのもあるけど面白くていいよね。
それよりこの“怒りのソース”をアラビアータと最初に表記した日本の料理人は極刑に値するなあ、もちろん執行猶予などない。パルミジャーノ・レッジャーノやファルファッレ、フィジッリ、コン・フンギなど確かにイタリア語はニッポン人に馴染みのない発音が多く端折りたいキモチも解らぬでもないが、誤解を与えるような要約はいかがなものか。アッラッビアータでいいではないか。
困ったことにそれは既に日本語一般名称化してしまって今さら変えられないのよね、スーパーで売られているレトルトや瓶詰の“怒りのソース”には堂々とアラビアータって書かれちゃってるのよ、エロおやぢがいくら大声で「ソレは違うぞ〜!」と叫んでも手遅れなのだ。

まあそんなワケでちょっと怒りの感情でコーフンしながらその辛いトマトソースを作るのさ。ベツに難しいことはなにもしていない、ただいつものトマトソースよりアッシェしたガーリックを多めにしたり輪切り唐辛子をたっぷり加えることや、香りの良いホールブラックペッパーの挽きたてをやはり多めに振り撒いてやる。そしていつものように20〜30分間ほどクツクツと煮込んでソースにコクと深みを与えてやるだけだ。
このソースにはペンネがたいへんよく合う。ペンネ・アッラッビアータはペンネを使った料理の中で一番有名なくらいだもんね。
もちろんスパゲッティーにもイケてるソースなのであって、その日は手元にあったブロッコリと吊るし燻りベーコンをフィーチャーしてパスタ料理を完成させた。
聞くところによるとイタリア人はこのアッラッビアータ・ソースを使った料理には絶対にチーズをかけないらしい。せっかくの辛味がマイルドになってしまうからだと云うのね。う〜んナルホド…でももうかけちゃったんだよな…。




クリック↓↓↓で応援をお願いします