一富士二鷹三茄子

今年の夏は本当に暑かった。
もうじき冬を迎えるこの時期になってそんな話題を持ち出すのもどうかと思うが、流されるままにダラシなく生きてきての結果なのだから粛々と受け止めるしかないのよ。

というのも街なかでのシゴトというものもときどきあって、昼休みにプラプラしているときに見つけたお店の看板は「氷販賣」と白文字が刻まれた古い木製のものだった。しかも白い暖簾には“アイスクリーム・一富士”と書かれているではないか。
そうかココは静岡市内の中心部でも歴史のある地区なのであって、静岡浅間神社にほど近い長谷通りには昔ながらのイナタいお店がズラリと並んでいるのね。
アセダラでシゴトを終えればノドもカラカラの脱水状態…どうしてもそのお店でナニか冷たいものをクチにしなければ気が済まない状態に陥っていた。

同行のナカマにそうしたい旨を伝えると一も二もなくクビを縦に振って同意してくれた。有難い、早速レッツゴーなのだ。
夕方5時、昼間は賑わっていたのだろうがちょうどポケットの時間帯なのだろう、店内には客の姿はなかった。気温は夕刻だというのに三十℃を超えていてやはり『かき氷』ってやつでキュッとカラダをシメて帰るのさ。

店内に貼られたお品書きを見ると全て300・400円というお値段になっていてジツにシンプルだった。メニューも同様でかき氷やみつ豆を中心に簡素なスイーツが並ぶ。きっと冬になれば“たい焼”なんてものもやるんだろうなあ…
ボクはその中から『氷クリーム』をチョイスした。レモンも魅力テキだったけれど、シゴトの疲れがより甘いスペックを求めていたに違いないし、暖簾に書かれた“アイスクリーム”というのが呪文のようにそれに走らせたのかも知れない。
ほどなくして運ばれてきたそれはお店の様子に倣うように極めてシンプルなものだった。かき氷に白蜜そしてそこにアイスクリームをポンとトッピングしただけのスタイル。あぁなんてステキなんだろう!
そしてそのお味も推して知るべし、全てが乾き切ったカラダにシミわたる甘露のようである。いいねえ、いつもなら家に帰ってから飲るビールが一日の終わりの楽しみだったけれど、こーゆー快楽もあるんだなあ…とミョ〜に得をしたキブンで帰路についた。
   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
翌日そのハナシを別のナカマにすると「オレも行きたい」と云う。う〜む、連チャンかあ…まあいいよね、メニューにあった『中華そば』も気になってシカタなかったし、いっちょゴーカにフルコースランチしようじゃないか!という運びになった。

三人それぞれに別の品を注文してちょいと味比べ…ってのが滅多に来れない或いは次回いつ来ることが出来るか判らないお店での常套句なのである。
その日もやはりとても暑い日中だったがボクはやはりキホンとも言うべき熱いラーメンを注文した。コンサバ系の澄んだ鶏ガラだしスープにネギとチャーシューと板海苔だけ。スープをひとくち啜ってみれば(あぁコレがムカシからの味なんだよなあ)としみじみとした温かみを感じる。美味い!
そしてそのチャーシューはいかにも自家製という感じで、流行りのふわとろ系煮豚チャーシューとは全く別モノ、こちらも昔ながらの製法を頑なに守っては作り続けている“ホンモノの叉焼”であり、そうした精神が一本芯の通ったお味に見事な反映となって食す者を感動に導く。『やきそば』も『冷し中華』にもそれは共通した具材となっていてドレを注文してもそのチャーシューが食べられるというのは有難いではないか。
冷し中華にはキュウリの細切りとザクッと切った薄焼きタマゴ、紅生姜ではなく寿司に使うような甘酢生姜がトッピングされているのが面白い。お味はもちろんフツーの冷し中華、しかしナチュラルでシンプルなスペックは印象深いもので(また食べたい)と思えるところがサスガなのよね。


しかしなんといっても衝撃テキだったのは『やきそば』なのだった。
何も考えずに注文した我々だったが、驚愕の食感がイッキに三人のココロを奪っていった…そうお味とか具材がどうのといった次元ではなく、麺がバリバリに近いくらいに硬く焼かれているのだ。
しかしパキパキするほどの硬さでもなく微かにソフトさが残されていてそのスキ間にギュッとソースや野菜の旨味がネジ込まれている感じなのよ…いや〜、美味いったらありゃしない。すかさず食い尽くして「こいつでビールが飲みたいよなあ」と言いつつもう一杯オカワリをしてしまったオジサンたちなのであった。

デザートは『氷志るこ』に『クリームあんみつ豆』そして『氷れもん』。二日続けての来店に気をよくしたのか、おねーさんは『氷れもん』にアイスクリームのトッピングをサービスしてくれた。
因みにアイスは自家製ではないものの、フレーバーシロップやアンコ類は全て手作りしているらしい。代金が二種類しかない(大盛りを除く)のは「お勘定の計算が面倒臭いからなのよ」と打ち明けてくれたフロア係のおねーさんはとってもフレンドリーな御方なのであった。
一富士という店名はお正月に見る夢の中で一番オメデタイやつだよね、流行りのシャレたナマエもいいけどやっぱり歴史や伝統のあるお店にはそうしたナマエがよく似合う気がする。
そうだ!またアシを延ばしてみようかしら…もしかしたら“たい焼”が食べられるかも知れないしさ。


一富士
静岡県静岡市葵区長谷町18
TEL=054-246-6405


             ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


今年の夏は例年になく冷やした料理を多く食べたと思う。もう時期ハズレなのでイッキに公開…って寒々しくてゴメンナサイです。


インスタント袋麺の『ゴマだれ冷し中華』は五食入で¥198という安さに惹かれて購入してきたものだが、な〜にその美味しさにノックアウトされて何度もリピートしてしまった。
添付のコチジャン風辛味ソースがジツにエクセレント。


August 19. 2012.




妹が育てたスイカは甘くて美味かったなあ…


August 19. 2012.




食欲が失せかける昼めしどきの暑さ…
弁当に麺類を持参しては出かけた日がかなり多かった。
この日は『冷しなめこそば』


August 29. 2012.




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今朝の富士山
もう少し朝焼けすると思ったんだけどね
お天気下降線の影響をモロに受けて…



6:13AM



6:48AM, November 11. 2012. @Fujinomiya-City






元ルーさん
おはようございます!
見ただけで「う〜寒っ!」ですか…とんだイヤガラセでしたね、やっぱり季節ハズレの記事ってよくありませんな(´▽`*)アハハ そろそろ温かな食べ物の日記をエントリーしなくちゃ…
昨日の静岡は朝から暖かで、日中はソレナリな気温になって小アセをかきましたよ。空気が乾燥してきているのでノドが渇いて『かき氷』が食べたくなりました \(≧▽≦)丿